先日のNo弐-316(2月6日)でも開幕前日の朝日新聞朝刊の「もっと知ろう 冬季五輪」から「カーリング なぜ曲がる 神秘のまま」を紹介しました。
カーリングの石の素材は花崗岩で、重さは20㎏。ストーンがなぜ曲がるのかが正確に解明されていないため、「最もミステリアスなスポーツ」と称されることがあるとのこと。カーリングの石は右回転なら右へ、左回転なら左へ、回転方向と同じ向きに曲がっていくとのことでした。
昨日の読売新聞朝刊の「超人の科学」は「カーリング」についてでした。
★曲がる不思議
・カーリングという名称は、氷上のストーンが巻き毛(カール)のように曲がることが由来とも言われる。
・約500年の歴史を持つが、ストーンがなぜ曲がるのか、現代の科学でもはっきりわかっていない。
・ストーンが曲がる大きさは、摩擦の影響が大きいとみられる。
・ストーンの底面で布やすりを4往復させただけで、曲がり幅が約80㎝も増えた。
・リンク上には直径数㎜の氷の粒(ぺブル)が無数にあり、ストーンとの接触面積を減らして摩擦を小さくしている。
・粒のつぶれ具合でも、ストーンの動きが変わるから厄介だ。
★氷を読む
・氷の状態は、試合中も刻々と変わる。
①「速さ」試合中はストーンが進む時間を計り、相手のストーンの動きも観察する。
②「室温」観客が多く入ると温度が上がり、氷が解けやすくなる。
③「見た目・軌跡」目でも氷を読む。ストーンが何度も通った跡はつやつやして滑りやすく、通っていない部分は霜がつく。
④「感触」自分が滑る速さ、足の裏や肌の感覚など、全身で氷の状態を感じ取る。
・リンク上を移動する時は、滑り具合を確かめる。
・チームで情報を共有し、みんなでどれだけ氷を読めるかが大きな要素になる。
★リリースの微調整
・曲がり幅を計算に入れ、約40㎝先の狙いを2~3㎝ずらすこともある。
・ストーンを投じる4~5秒間にも手に伝わるストーンや体の滑り具合に感覚を集中し、リリースの瞬間に押し出す力を微調整する。
★スイープ
・ブラシでこする「スイープ」は、摩擦熱を氷で溶かし、ストーンの進む距離や曲がる幅を大きくしている。
・摩擦熱はブラシにかかる垂直の力が倍になると2倍、動かす速さを倍にすると1.55倍になる。
◎山口剛史さん(平昌五輪出場)の話
・(スイープで)距離は最大4m、曲がる幅は15㎝伸ばすことができる。
・最後にストーンを狙った位置で止めるのはスイープの技術。リリースから停止までの約25秒間、一瞬も気が抜けない。
★AI
・ストーンの配置から最適なショットを導き出す人工知能(AI)を開発しているが、コンピューター上でトップ選手と対戦させると今のところ、AIが勝つのは難しい。
・AIは終盤に人間には予想外の手を示すことがあり、未来の新戦術が生まれるかもしれない。
こんな知識をもって、観戦するとカーリングがさらに楽しめそうですね。逆転勝ちで連勝の日本チーム応援しましょう。
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