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No弐-304  続「雨ニモマケズ」の授業

  今日は、「雨ニモマケズ」の後半を扱います。中学年(高学年)で考えました。

★「もし私が4年2組の担任だったら」のシミュレーション(T先生、C児童)

T鼎談準備、よーいはじめ。

T今日は、28秒。また5秒速くなった。素晴らしい。

 全員が見やすいか、角度調整(5秒)。

・時間を意識させること。時々数字で示すこと。安全・協力の視点も評価する。

T 今日の学習は、「けんじにちゃれんじ」(板書またはスクリーン)。「けんじ」って誰だかわかる?

C宮沢賢治ですか?

Tそうです。その通り。(写真を見せる) 読んだことある人?

C銀河鉄道の夜、注文の多い伊料理店、風の又三郎…

T「課題1 宮沢賢治の本を1冊見つけて読んで読書貯金を殖やす」どう?

・その後は、宮沢賢治のエピソードをクイズ形式にして楽しむ。

 

T今日は、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の後半に注目です。(ワークシートを配布)

 東1・2班、西3・4班、南5・6班、北7・8班。練習1分、はじめ。

C・班ごとに音読 

東に病気の子供あれば 行って看病してやり

西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を負い

南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくてもいいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い

T今日は、5・6班が一番ピッタリそろっていたね。3・4班は表情がとってもよかった。…

Tさて、みんななら、東に病気の子供がいたら何をしてあげるかな?

C薬を届けます。おかゆを作ってあげます。励まします。…

・リレー形式で全員に話させる。話せない時は「パスさせてください」。敬体で話す。

・西の母、南の死にそうな人、北の喧嘩や訴訟も同様に進め、スクリーンに記録していく。

 

T東に(    )あれば 行って(      )

 西に(    )あれば 行って(      )

 南に(       )あれば 行って(         )と言い

 北に(       )あれば (         )と言い

 自分のまわりの人を思い浮かべてみて。どんなことがあったら、どんなことがしてあげられるかな?どんな言葉かけができるかな?4つのパターンを考えてみなて。(10分)

・できた子から黒板に貼る。互いの作品を読み合う。

T(全員そろってから5分後)「私のお気に入り」はあったかな?

Cぼくは、みっちゃんの「東に病気に友達あれば、背中をさすってやり」が気に入りました。

 私は、れなちゃんの「北にメソメソしてる弟あれば、ファイティンと言い」が好きです。

・理由も言えたら称賛する。話し方、聞き方は常に意識させる。

 

T次は、最終場面です。今度は、人数に変化をつけて、作品に仕上げてごらん。(5分)

 日照りの時は涙を流し 寒さの夏はおろおろ歩き

 みんなにでくのぼーと呼ばれ

 褒められもせず 苦にもされず

 そういうものに わたしはなりたい

・各班の発表をする。工夫した点、良かった点を具体的に称賛する。

T賢治さんの考える「でくのぼー」って何だろう?(5分)

・ホワイトボードを各班に配布し、発表する。

T実は、「でくのぼー」は、「木偶の坊(でくのぼう)」って書きます。

「木偶」は、木彫りの操り人形のことです。

「人の言う通りに動くことしかできず、自分では何もできない人間、役に立たない人間のこと」なので、あまりいい意味では使われません。

 

Tでも賢治さんは、本当にそんな人になりたかったかしら?

 賢治さんのお母さん(イチ)は「人というものは人に何かしてあげるために生まれてきたのです」という言葉をよく言ったんだそうです。この母の教えの影響は大きいようです。

 

 もう一人キリスト教徒の斉藤宗次郎さんと言う人がモデルだとも言われています。洗礼を受けると迫害を受け、石を投げられ、親にも勘当され、小学校の先生も辞めさせられてしまいました。

 しかし、それでも1日40キロの牛乳配達や新聞配達を続けながら、子供に会うとアメ玉をやったり、病気の人のお見舞いをしたりして、励まし、お祈りを続けた人なんだそうです。

 賢治さんは、仏様も信じていたので、いばることなく、みんなの声を聴き、みんなの願いに心傾けることができる人のことを「でくのぼー」と思って理想としていたんじゃないかな。

 

Cワークシートに書く。(10分)

(     )は涙を流し (     )はおろおろ歩き

みんなに(      )と呼ばれ

(     )もせず (     )もされず

そういうものに わたしはなりたい

・書けた子からスクリーンに映し出し、感想を交流する。

・その後、清書の時間は昨日の通り。

 

 いかがでしたか?賢治のお母さんの「人というものは人に何かしてあげるために生まれてきた」の言葉が心に沁みてます。伝える重みを感じてます。