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No弐-301 初めてのメスのボスザル

  先日図書館に行った時に、毎日新聞夕刊(1月8日)の「三角関係 サル山に乱?」と言う見出しが目に留まりました。やはり見出しって大切ですね。

 九州の大分市にある高崎山自然動物園をご存知ですか?

 同園では現在、A群から独立したB群(677匹)、C群(362匹)の二つの群れがありますが、現在は合計991匹で、初めて1000匹を下回ったそうです。

 通常、ニホンザルは、群れの中でオスザルとメスザルは別々の社会を作り、群れ全体のボスはオスザルがなるので、メスザルがボスになったことは、1953年の開園以来、初めてのことで、自然界においても大変珍しい出来事なんだそうです。

 そこに2頭のオスがボスを巡る「恋のさや当て」を繰り広げているというのですから興味を引くではありませんか?

 

★ヤケイ(メス、9歳 人間なら約30歳) 

・2012年7月生まれ。2匹の子どもがいる。体重9.8kgメスの中では体が一回り大きい。

・昨年2月末にB群2位のオスザルのマクレーンに求愛されてから様子が一変。バックに付けたこと威張り始め、群れでの振る舞いが変わった。

・その後、マクレーンもヤケイの姿を見ると恐れおののいて逃げるようになった。

・3月、B群のメスザル1位だった自らの母ビケイと親子喧嘩の末、「雌頭」の座を奪った。

・ナンチュウ(雄、32歳、人間なら約100歳)が17代目ボスを7年間務めてきたが、6月末にヤケイが食べようとしたエサに子ザルが手を出したことで怒って咬みつかれた子ザルをナンチュウが助けに行くが、逆にねじ伏せられ、悲鳴を上げながら逃げ回った。

・その後約1カ月間、ヤケイの方が優位にある行動が見られ、2021年7月B群の序列1位18代目のボスになった。

・威嚇するように尻尾を上げて歩いたり、木を揺らすなどボスらしい威嚇行動を見せる。

 

★ゴロ―(オス、推定15歳)

・2021年11月初め、序列6位のゴロ―がヤケイに近づく。

・ヤケイはオスがメスにかみつくゴロ―の求愛行動を嫌がることなく受け入れた。

・ヤケイの顔とお尻は真っ赤。恋をしている証。

 

★ルフィ(オス、推定19歳)

・一時、ゴロ―がヤケイに関心を示さなくなった隙を突いて序列5位のルフィが割って入った。

・ヤケイは、ルフィが近づくと逃げたり威嚇したりする。

 

・ゴロ―は、序列でかなわないルフィが来ると逃げてしまう。

 

★今後の予想

・今後、発情して攻撃的になったオスがヤケイからボスの座を奪う可能性もある。

・神庭の滝自然公園(岡山県)でもメスが一時、群れのトップに立ったが、発情したオスザルに地位を奪われた。

・どんな動物でも、メスがボスになることは原則ない。動物は性差を重要視しており、オスとメスの違いを尊重している。

・メスは特定のオスに入れ込んだり、出産、育児のタイミングで体力が弱ることもあるので、その際にトップを維持できるか、発情期のこの秋が山場。

 

 いかがでしたか?ヤケイの今後に注目です。ヤケイを主人公に人間関係に置き換えた脚本を書きたくなりました。