今日の読売新聞朝刊「ニュースの門」は、学校の「学級」に注目し、多様な子どもに対応する「新しい学級」を取り上げていたので、紹介します。
★寺子屋
・寺子屋は庶民のための教育機関だった。
・町人や武士が師匠となり、子どもは読み、書き、そろばんなど、生活に必要な知識と技能を学んだ。
・6歳前後で「入学」する子どもが多かったとみられるが、地域によって差があった。
・指導は個別で行うのが基本で、1人の師匠が作った62人分の学習計画の古文書も残っている。
・明治前期の調査では、全国に1万6560か所あったとされるが、実際はその数倍あったとするのが通説。
★学制発布と「学級」の誕生
・明治維新後、「国民皆学」を目指す新政府は明治5年(1872年)、「学制」を発布して、全ての6歳以上が教育を受けるよう定めた。
・明治24年(1891年)に「学級」が規定され、尋常小学校は1学級100人未満とされた。
★現在
・今年は学制が発布されて150年になる。
・近年、発達障害や外国籍など特別な支援が必要な子どもが増加。いじめの認知件数や不登校も増え、一斉授業の画一的な教育では対応しきれなくなっている。
・文科省は昨年。義務標準法を改正し、小学校の学級人数の上限を40人から35人に減らした。(41年ぶり)
・現場では「目が行き届く」と歓迎しているが、学力のほか、意欲や根気強さ、協調性といった「非認知能力」に対してどのような効果があるのかは、専門家によって意見が分かれる。
◎世界の1学級の児童数
・日本27.2人(OECD平均21.1人) 34か国中、2番目に多かった。
伊18.9人、米・独20.9人、仏22.3人、英27.2人(日本と同じ)
★固定概念を覆す小学校
①私立大日向小学校(長野県) 2019年度開校。
・「ファミリーグループ」同じ学級に年齢の違う児童が混在し、学んでいる。
・机を向かい合わせ学ぶ子供たちや、一人で黙々と問題を解く子もいる。
・学級は1~3年で3学級、4~6年で2学級。1学級は25人ほど。
・「イエナプラン」(1969年以降、オランダで広まった教育理念)の実践。
・児童は毎週、自ら国語や算数など各教科の1週間の学習計画を立てる。
・空いた時間にいつ・どこで・どう勉強するかは先生と相談しながら決める。
②広島県福山市では今春、公立初のイエナプラン教育校を開設。5クラス。
③名古屋市立山吹小学校では、総合的な学習の時間などを8~9人の異学年グループで活動。
★イエナプランのよさ
・年齢別の一斉授業では優劣がつき、学級内で異質な者を排除する力も働きやすい。
・「異年齢が交ざると皆、違うのが当たり前で教えたり教えられたりする役割も交代しやすく、事故固定感も高まる」(リヒテル直子さん・教育研究家)
私が勤務したM小学校では、1年間通して縦割り班活動を実践しました。異学年が交流することで「非認知能力」は着実に育っていったように思います。広まってほしいと願っています。
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