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No弐-291 公文書作成の見直し

 1月8日(土)の読売新聞朝刊からです。国家公務員の文書作成の手引となる「公文書作成の考え方」を文化庁の文化審議会が7日に文科相に建議(提案)したという記事でした。

 これまでの基準の「公文書作成の要領」は1952年に通知が出されましたが、現在は要領と異なる使い方をしている場面も多くなったので、見直されました。

 公文書作成の基準が変わるのは70年ぶりなんだそうです。早速、この建議を読んでみました。

① 横書きの読点の付け方 「,」(コンマ)→テン「、」(テン)を用いることが原則。

 ただし、横書きでは「,」(コンマ)を用いてもよい。一つの文書内でどちらかに統一する。

 

② 「?」(疑問符)「!」(感嘆符) 言及がなく、原則使わない→必要に応じて使用可。

 一般の人が見る広報文や発言の記録では、相手に伝わりやすくなる場合があるため。

 

③送り仮名を省く名詞 「手続」→一般向けの文書では「手続き」と送り仮名をつけることができる。 「届出」→「届け出」

 

④カタカナにひらがなで振り仮名を付ける場合 長音符号を使えるようにする。

 ぼおる(ぼうる)→ぼーる、さあびす→さーびす

 

④「等」「など」は読み手に内容が伝わりにくいため慎重に使う。

 具体的に挙げるべき内容を想定しておき、「等」「など」の前には、代表的、典型的なものを挙げる。

 

 他にこんなものを確認できました。

★算用数字を使う横書きでは「3か所」「7か月」、漢数字を用いる場合は「三箇所」「七箇月」と書く。

★括弧は、()(丸括弧)と「」(かぎ括弧)を用いることを基本とする。()「」の中に、更に()「」を用いる場合にもそのまま重ねて用いる。

 (平成26(2014)年)、「「異字同訓」の漢字の使い分け例」

★「から」と「より」を使い分ける。

 会議の開始時間は午前10時より午後1時からが望ましい。

★表現の重複に留意する。

 諸先生方→諸先生、先生方 各都道府県ごとに→各都道府県で、都道府県ごとに

 第1日目→第1日、1日目 約20名くらい→約20名、20名くらい

★回りくどい言い方はしない

 利用することができる→利用できる 調査を実施した→調査した

★「漢字1字+する」型の動詞は多用しない。

 模する→似せる 擬する→なぞらえる 賭する→賭ける 滅する→滅ぼす

★重厚さや正確さを高めるには、述部に漢語を用いる。

 決める→決定(する) 消える→消失(する)

★わかりやすさ親しみやすさを高めるには、述部に訓読みの動詞を用いる。

 作業が進捗する→作業がはかどる、順調に進む、予定通りに運ぶ