今年は寅年ですね。寅年の方いらっしゃいますか?
1月7日(金)朝日新聞朝刊「文化」欄の「愛情深きトラ 愛された歴史」の見出しが目に留まりました。
・現在のトラは世界に4千頭もいないと言われている。
・日本では生息していないにもかかわらず、昔から多くの美術品やおもちゃなどにその姿が表現されてきた。
★トラの登場
・トラが日本の文献に登場するのは、8世紀に成立した歴史書「日本書紀」。
欽明天皇6年(545年)の条に、百済に派遣された武人の膳巴提便(かしわでのはすひ)がトラを退治し、皮を持ち帰ったと書かれている。
・奈良~平安時代に中国東北部にあった渤海国(ぼっかいこく)が、739年と837年に日本に使者を送った際、トラ皮が贈られた。
・10世紀に編纂された法令集「延喜式」の弾正台という役所に関する条文の中に、「五位以上の者には虎皮の着用を許す」という記述がある。
★ヒョウ
・「豹皮」を着用できるのは「参議以上及び非参議の三位」で、トラの皮より各上扱いだった。入ってくる枚数が少なかったため。
・ヒョウは、日本ではトラのメスと考えられていた。
・焼き物には、トラとヒョウをつがいとして表現した作品も少なくない。
★トラへの願い
・「山のけものたちを従える、強く賢い生き物」と考えられていた。
・「子どもを大切に育てる、愛情の深いけもの」とも考えられていた。
・トラの表現が多いのは「強さの象徴や魔よけの目的に加えて、子が産まれ、家が栄えること」を願った側面もあった。
★トラの絵画
・トラを描いた現存最古の屏風絵は、単庵智伝が16世紀に描いた「龍虎図」。
・その後、雪村や長谷川等伯、江戸時代には狩野探幽らも画題を選び、広がっていく。
・尾形光琳の「竹虎図」は、かわいい行儀よく座る姿で表現されている。
★実物のトラ
・1575年には、大友宗麟に中国の明の船がトラ4頭と象1頭を贈った記録がある。
・文禄の駅で出兵した1593年と94年に、朝鮮で生け捕りにされたトラが豊臣秀吉あてに送られた。
・少なくとも戦国時代以降、限られた範囲ではあったが、生きたトラを見る機会が増えていった。
★張り子のトラ
・江戸時代になると、トラは各地で郷土玩具のモチ―フになってゆく。
・福島県三春や静岡県、福岡県などの張り子のトラが有名だ。
Q1 野生のトラは、今何千頭ぐらいいると思う?
Q2 トラのメスと考えられた動物は何だと思う?
早速「授業のまくら」にいかがでしょう?
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