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No弐-285 遊びの精神

  久々の雪ですね。大丈夫でしたか?今日から出勤の方も多かったのでは?

 昨年末12月28日(火)読売新聞朝刊「くらし 家庭」欄の「今を語る」は、松田恵示教授(東京学芸大副学長・スポーツ社会学)の「遊びの精神 柔軟な心構え」の記事が印象に残っています。

 

★遊びの精神

・大人は、遊びを不真面目とかいいかげんといったニュアンスを含むものとして捉えがち。

・しかし、20世紀を代表する歴史学者ヨハン・ホイジンガは1938年の著書「ホモ・ルーデンス」(遊ぶ人)で、人間の活動の本質は遊びであり、遊ぶことで文化が出来てきたと論じた。

・遊びの精神を通して人や社会を見ると、違った理解ができ、心豊かになるのではないか。

・今の時代、あえて遊びの精神が持つ特性を知ることは意味があるのではないか。

 

★遊びの精神が持つ特性

・ゲームが面白いのは勝ったり負けたりするからで、勝ってばかりや負けてばかりでは飽きてしまう。

・遊びの精神とは、結果がどう転ぶか分からない、不安定な状況を楽しむこと。

・物事を複数の視点から見たり考えたりする特性がある。(複眼性)

子どもが泥ダンゴでごっこ遊びをする時、手渡されて食べれば大変なことになる。「これ、泥ダンゴじゃん」と言ってしまうと面白くない。

 遊びにはウソだけれど本当というような両義性があり、子どもは自然に受け入れている。

 

★遊びの精神の欠如

・IT社会の進展が、遊びの精神の欠如に影響している側面がある。

・行動に必要な情報が簡単に入手できるようになり、失敗を極度に恐れるようになった。

・失敗を通して得られる経験や発想の転換の機会も失われている。

 

★柔軟な心構え

・日常生活でも、当たり前だと思っていたことが突然、当たり前でなくなる可能性がある。

 柔軟な心構えを持っているか否かで、先の見えない時代を生きていく際に大きな違いが出るのではないか。心の余裕と言ってもいいかもしれない。

・生活に小さな遊びを取り入れるのはどうか。

 例えば、その日に履く靴をコイントスで決めてみる。服と合わず「センスが悪い」と言われても、自分の中で笑っていられれば違った時間になる。

・小さな子どもと遊んでみても、教えられることは多いはず。

 例えば、ブロック遊びをすると大人はつい組み立て図通りに作ろうとするが、子どもは何となく組み合わせていき、船の形に似てきたら船にしようとする。うまくいくか、いかないかわからない不安定な状況も苦にしない。

・どう遊ぼうかと考えることは、面白く豊かなシニア期を生きることにもつながる。

 

 たしかに「働き方改革」は「遊び方改革」かもしれません。

 遊び上手になりたいですね!