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No弐-272 「とめ・はね・はらい」を考える4

 今日は、終業式でしたか?2学期お疲れ様でした。そして、クリスマスイブですね。昨年No912でも紹介しましたが、クリスマス(Christmas)の語源は、Christ(キリスト)のmass(ミサ=礼拝)。イブ(eve)はeveningの略で、24日の日没から25日の日没までが「クリスマス当日」ということになるということでした。

 

 さて今日も「とめ・はね・はらい」について考えてみたいと思います。

⑨「長さ」 

・「吉」という字の上の部分が「士」なのか、「土」なのかは、従来、明朝体は,「士」+「口」の形が一般的だったが、手書きの楷書で は「土」+「口」の形で書くことが多かった。辞書には、「土」+「口」は俗字としているものもある。この漢字は人名や地名に使われていることが多い。窓口業務等においては、使い分けられる場合がある。

 「士」と「土」は、単独で用いられるときには横画の長短がしっかり書き分けられるが、「喜」「仕」「寺」「荘」など漢字の一部になっているものは「士」と「土」が入れ替わったような形で書かれることがあるが、別の漢字に見間違えられることがないので誤りであるとまで断じることはできない。

・「奏」の下の部分を「天」の下の横画を長く書く形だけでなく、上の横画を右から左にはらって「夭」のように書かれる場合も誤りではない。「天」の上の横画を長く書くことも誤りとは言えない。

・「天」の下の横画の方が長い字や「幸」の1番下の横画が一つ上の横画よりも長い字も手書きの楷書では伝統的に用いられてきた形であり、誤りではない。

 「士」と「土」や「末」と「未」のように点画の長短が入れ替わることによって別の字になってしまう場合は注意が必要。

 

⑩「牙」は、「芽」の下の部分のように書いても、「芽」の下の部分を「牙」のように書いてもどちらも誤りではない。ただし,「芽」は小学校で学ぶ字だから画数が変わる点で教育上の配慮が必要な場合がある。

 「雅」や「邪」も両者の字体が使い分けられていることは意識しておくとよい。

 

⑪「衷」という字は、「一」→「口」→縦画が「口」の底辺まで届く書き方、「口」を貫いて「中」のようになる書き方、「亠」→「口」→縦画という書き方もある。「衷」は辞書によって9画とされたり10画とされたりする。

 

⑫「しめすへん」「ころもへん」「主」の1画目が垂直の棒か斜めの点でもどちらの書き方をしても誤りではない。

 「学」「集」「広」「交」も1画目の点の方向と接触の仕方の組合せに決まったものがあるわけではない。

「魚」「鳥」などの「れんが」も同じである。

 今日で終わるつもりでしたが、もう1回お付き合いください。月曜日に続く