今日も「とめ・はね・はらい」について考えてみたいと思います。
③「つけるか、はなすか」
・「月」横画が右の縦画から離れて書いても誤りではない。「日」「目」「田」「ヨ」も同様に考えることができる。
・「口」「月」などの1画目と2画目が離れているような書き方、点画の接触の有無は漢字の正誤に関わらない。
「日」「目」「田」「用」「国」なども同様に考えることができる。
・「言」は1画目が「なべぶた」のように書いても、左上から斜めの画で書いても、「ノ」のように右上から斜めの画で書いても別の字とみなされるようなことはないから誤っているとまでは言えない。
「主」も同様である。
④「とめるか、ぬくか」
・「十」の2画目をぬくように書いても、とめても間違いではない。明朝体ではとめるように表されているが、手書きの場合最終の縦画をぬくように書くのも適切な書き方である。
「許」「布」「都」「戒」「連」も同様である。
⑤「つけるか、はなすか」
・「右」の「口」は「ノ」の部分に接触するように書くべきか、しないように書くべきかは、どちらで書いてもよい。「右」という字に限らず、接触の有無は、漢字の正誤の判断基準にはない。
他には、「下」「垂」「石」「文」「病」「立」「無」「究」「又」なども接触の有無は正誤を判断する際の基準にならない。
・「登」「発」の「はつがしら」の上部を離すか、接するかは、どちらの書き方で書いても誤りではない。明朝体や教科書体など,印刷文字のデザイン差が影響していると考えられる。
⑥「でるか、でないか」
・「女」という漢字の2画目は,3画目の横画よりも上に出ても、出ない形でも誤りではない。昭和50年代半ば以降、小学校では出る形で教えられているが、出るか出ないかは正誤に関わる問題ではない。
・「女」という漢字と「おんなへん」で使うときとでは、印刷文字では表し方に違いがあることが多いが、書き分ける必要はなく、どちらで書いても誤りではない。
同様に「耳」「長」「弟」「火」の点画が交差していてもいなくても誤りとみなされない。
・「工」と「土」、「矢」と「失」、「田」と「由」と「申」のように縦画と横画が接するだけか、交差するかという字形の違いが字体の違いにまで及び、別の漢字とみなされることもある。これらは,しっかり書き分けないと誤りであると判断される場合がある。
⑦「いとへん」の下部の書き方は、下の部分を「小」のような形ではなく、点を3つ並べる書き方も誤りではない。
ただ「糸」を「素」や「緊」のような位置に書く時は、3つ並べるような書き方をする習慣はほとんどないから、避けた方が良い。
⑧「令」と「(下がマ)」はどちらでもかまわない。
「領」「鈴」「冷」「齢」「伶」「怜」「玲」なども同じように考えることができる。
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