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No弐-269 「とめ・はね・はらい」を考える1

 一昨日の朝日新聞「フォーラム」は「とめ・はめ・はらい」がテーマでした。とても興味深く読ませていただきました。皆さんは漢字の学習で「とめ・はね・はらい」をどのように指導していますか? 

★肯定派「漢字「とめ・はね・はらい」をなぜ。厳しめに指導すべきだとお考えですか?」

・手書きを教養として正しく教える(81)

・日本語として正確な漢字を覚えるべきだ(78)

・きれいな字を書くため(75)

・試験で×にならないように(24)

★否定派「なぜ、厳しい指導は必要ないとお考えですか?」

・厳しい指導の根拠があいまい(102)

・手書きでは崩し字になるので意味がない(36)

・先生の指導が信用できない(28)

 

★笹原宏之教授(早稲田大)の話

・手書き文字は印刷文字ではないのだから、細部を気にしすぎる必要はないが、戦後一貫した国語政策の方針。

・ところが、伝統に根ざした漢字の正しい字形があって、答えはひとつだという思い込みが戦後に浸透し、漢字に対する硬直的な理解につながってしまっていた。

・こうした現状を何とかしなければとして作成されたのが、「常用漢字表の字体・字形に関する方針」(文化庁、2016)

・「土」と「士」は字体が違う別々の字だが、「荘」や「周」など、字の構成要素の一つである場合、長短を問題にする必要はない。

・「保険」の「保」は印刷文字だと「口」の下は「木」になっているが、手書きの場合「ホ」でもいいとしている。

◎2014年度調査(3000人対象)

・口の下は「木」だけが適切(49%)、「ホ」だけが適切(33%)、両方とも適切(17%)

・20~29歳の84%が「木」派、70歳以上の69%が「ホ」派。

・大学生の多くは「保」の口の下が「ホ」は間違いと言う。「とめ・はね・はらい」を厳しく教え込まれ、「もとより運筆による多様性がある」「どちらも正しい」と言う認識と価値観を失っている。

・「木」は縦の棒の下に赤い丸がついていて、わざわざ「はねない」と注意書きがあったのを、「はねない」と赤丸を取って、はねている「木」も加えて示している。

・人間の手書き文字は別の字と間違われない範囲で、個々に揺れ動きながら受け継がれてきた。多様性を認める意識が高まる現在、漢字の字形についての意識の従前の柔軟さを取り戻し、おおらかに捉えることで誰もが幸せになる、と考えている。

 皆さんは、どうお考えですか? 明日に続く