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No弐-268 日本酒復権の動き

  今日は、12月16日(木)読売新聞朝刊「ニュースの門」の「SAKEもっと世界酔わせる」から日本酒に注目してみました。

 「アルコール離れにコロナ禍が追い打ちとなり出荷量の低下に苦しむ日本酒が、業界を挙げて復権の動きを模索している」と言う記事です。

 

★日本酒低迷の背景

・日本酒出荷量のピークは1973年度177万kl→2020年度41万kl。4分の1以下に低迷。

・ビールや発泡酒などに押されただけではない。

・1990年代初めのバブル崩壊以降、大人数による社内旅行や宴会が減り、アルコール自体の消費が落ちた。

・国内最大の酒所の兵庫・灘が大きな被害を受けた95年の阪神大震災も大きく影響した。

・業界の構造転換や地酒ブームもあり、純米酒や吟醸酒など高級な日本酒の出荷量は堅調に伸びたが、コロナ禍で日本酒をじっくり味わえる居酒屋が休業を迫られた。

 

★日本酒の輸出額の伸び

・輸出額は約241億円(2020)対前年比3%増。10年前は85億円(2010)3倍増。

・海外日本食レストラン15万9000店(2020)。2006年は2万4000店 6.6倍増。

・国産ウイスキーは前年比約39%増、国産ワインは約2倍と驚異的な伸びを記録。

 

★無形文化遺産への登録

・世界のアルコール市場に占める日本酒の割合はまだ低いが、政府が先を見据えるのはユネスコ無形文化遺産への登録。

・無形文化遺産は03年に始まり、伝統芸能の登録が中心だったが、「フランスの美食術」(2010)が登録され、食文化に光が当たる。その後「和食」(2013)も登録。

・今年10月には新たな制度として作られた国の登録無形文化財に「伝統的酒造り」が決まる。

・酒の分野ではモンゴルの馬乳酒製造の伝統技術、ベルギーのビール文化、ジョージアの伝統的なワイン製法が登録されている。

 

・日本酒造りは奈良時代の「古事記」や「播磨国風土記」などの文献に記録が残る。

・室町時代には現在の麹菌を使った製法の原型が確立した。

・麹はビールなどの麦芽文化とは異なる独特なもので、明治以降に機械化が進みながらも杜氏らが製法を守り続けた。

・麹を使った酒としては、日本酒以外にも焼酎や泡盛、みりんも含まれる。

 皆さんは、日本酒はよく飲まれますか?私は居酒屋では日本酒は高級なので、旅館の夕食で「飲み比べ」を楽しむようにしています。