昨日の「12月のがるべる」は、18人(Zoomは4人)の方が参加してくださいました。会には参加できなくても7人の方が声を届けてくれました。後で読み返すことができるのもLINEの学びのよさです。学んだ事を交流することでさらに気付きがあり、深まるってことありますよね。どうぞ遠慮なさらないでください。お待ちしています。
まずは最初の近況報告と現場の情報交換では、こんな情報が寄せられました。
◎学校現場では、
・三者面談期間中の校舎1階を使った展覧会
・今年度初めての土曜授業参観(1時間)、授業参観中止。
・持久走大会 学年ごと(入れ替え制)、校庭、ペアタイム測定。参観は1家族3人まで
・1泊の林間学校(5年生)
・市内3校交流バスケット大会中止
・ふたご座流星群ライブ中継を使って学習
・療休の先生(教頭先生代行)
・学習発表会 土日午前。教室発表。教室に入れる人数6人。発表録画配信。
今月の専門がるべるは、T先生の「難言学級の対象児童とその障害」講座でした。お話されたことを簡単にまとめてみました。
★難言学級の概要
・「難言学級」は「難聴言語障害通級指導学級」の略。通称「ことばときこえの教室」「きこえとことばの教室」。
・「難聴障害」と「言語障害」の児童を対象。
・言語障害は「構音障害(発音の誤り)」「吃音症」「言語発達遅滞」の3つ。
・主訴(子供や保護者の困り感)からこの4つの障害に分けて指導内容や方針を決める。
①「難聴」耳が聞こえにくいこと。多くの場合、補聴器や人工内耳を装用。
・ろう学校は、より重度の難聴の子が対象で口話と手話でやりとり中心。難聴学級は、基本的には口話のみ。
②「構音障害(発音の誤り」特定の音がうまく言えない、発音ができないこと。
・口や舌、あごなどの運動機能の弱さ、発達のゆっくりさなどが影響して誤る場合
余計な力が入ったり、変な癖がついてしまったりした特殊な誤り方をしている場合
先天性の疾患からくる発音の誤り
③「吃音症」 言葉がなめらかに出ないこと。くりかえし、ひきのばし、つまり。
・「随伴症状」言葉が出ないときに、目をぱちぱちさせたり、足をならしたり、首をふったり、手をたたいたりする症状。
・朝ドラ「エール」や映画「英国王のスピーチ」など。
④「言語発達遅滞」 言語発達に課題が見られること。
・語彙が少ない、説明がうまくできない、助詞や接続詞の誤り、コミュニケーションの課題、文字や漢字が覚えられない、書けない(LD)など
・この分野は、情緒障害の特別支援学級(通級)の対象と重複することもある。
★クイズから学んだ指導の誤り
①難聴の人は、補聴器や人工内耳をつけても、多くの場合、同じようには聞こえない。お年寄り同様、近くで大きな音がすると音をひろいすぎてしまい、うるさいこともある。
②発音がうまくできない子には、何度も言いなおしをさせるのは、NG。うまく発音ができないので、言いなおしをさせても正しくは言えない。むしろ、工夫して話そうとして変なくせがついたり、話すことが嫌いになってしまう。
③吃音がある子が、どもっているときには、「あわてないで」と声をかけるのは、NG。子どもが話したいという気持ちを大切にし、吃音の症状に注目するのではなく、話の内容や本人の気持ちを十分に受けとめることが大切。基本的には話し終わるまで待ち、言いたいことが言えたが大事。
④漢字を書くのが苦手な子は、繰り返し書くことで漢字を覚えることは、NG。漢字を書く苦手さを補うには、その子に合った覚え方が大切。唱えて覚えたり、パーツを組み合わせて覚えたりするなど、本人に合った覚え方で積み重ねていくことが大切。
★ことばときこえの教室
・区内に1校。普段は在籍校で学習し、毎週1回決められた時間に登校し、学習。
・1回の指導は90分。指導は15時まで。
・校内通級児以外は、原則保護者が付き添い。(送迎のみ、モニター参観、直接参観)
・受け入れ状況は、各自治体によって異なる。
★実際の指導内容
①難聴
・「聴力管理」定期的に聴力検査。聴力は落ちてしまうと、元に戻ることはほとんどない。
・「障害理解」自分の難聴を受け入れる。音や聞こえの学習をすることから始め、聴力図の読み方の学習、自分の聴力の特徴を学ぶ。聴き誤りやすい音を聞き取る練習。他者に難聴のことを伝える方法を考える。
・「言語指導」語彙の拡充や言葉の決まりなどを学習。
②「発音の誤り」発音は正しい発音を身に付け活用できることが一番の目的でゴール。
・「発語器官(唇、舌、あごなど)の運動機能を高める指導」
・「正しい音を聞き分ける力をつける指導」自分が発音している音は正しいのか?
・「正しい発音ができるようにする指導」スモールステップで練習。
③「吃音」話すことに対して日頃から不全感をもっている子もいるため、話すこと、気持ちを表現することを重視する。
・「のびのびと話す経験を積む」遊びを通して、気持ちや思いを表現。プレイルームの活用。
・「吃音の正しい知識を学び、自己理解を深める」吃音については、昔から誤った情報が流れやすく、誤解されていることが多かった。
・「楽に話せる方法を探る」声をあわせて音読。やわらかく話す。吃音が出ても楽に話せる方法を試す。吃音があるから話すことが苦手、というのは語弊。
④「言語発達」
・語彙が少ない子には、絵カードを使って名称や特徴を確認、読み聞かせやクイズ作り。
・助詞の意味や使い方をプリント、文字カード等を使って学習。
・「言語力の底上げ」大切なのは自分の苦手を補う方法を一緒に考え、身に付けること。
・読みの苦手さを補うために、自分で教科書にふりがなをふる、文節で区切る、どこを読んでいるか分かるような道具を使うなど、自分に合う方法を知り、実践する練習。
⑤課題別グループ活動
これらの指導を担当の先生と一対一で学習するが、課題別のグループ活動も行う。
◎グループ活動のねらい
①同じ課題がある児童同士の仲間意識を育てる。
②子ども同士のやりとりの中で、よりよいコミュニケーションを学ぶ。
・同じ課題がある子どもの保護者同士のつながりもが大切。各学期1~2回程度。
通常ならば、放課後に集まったが、ここ2年ほどはオンラインでグループ活動。
クラスの子で「ことばやきこえが心配」という子がいたら、まずは、近くのことばときこえの教室の教員に相談してほしいとのことでした。
身近にあって知らないことがたくさんあったと思います。こういう特別支援の視点、配慮は通常学級でも大切ですね。もっともっと貪欲に吸収していきましょう。ありがとうございました。
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