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No弐-266 超一流選手を育てた親から学ぶ

  週刊現代(12月11・18日号)の「超一流を育てた親が『やらなかった』こと」に注目してみました。

・大谷選手ら多くの「超一流選手」を取材し、書籍「天才を作る親たちのルール」を著したスポーツライターの吉井妙子氏は「両親たちの姿勢に共通点がある」と語る。

①「何をしないか」を考える。

・(昔の親は)何をしてやろうかと考えた。けれどいまの親の愛情が「何をしないか」を考えなければならない。(河合隼雄氏)

・「超一流」を育てた両親たちは「何をしないか」に深く注意を払っている。

・大谷選手の父親は息子に「野球の練習をしろ」と注意することは一切なかった。

 

②頭ごなしに怒らない。子どもの考えを否定しない。

・「なぜできないのか」「お前はダメだ」と言われた瞬間、子どもは強烈なコンプレックスを植え付けられてしまう。その2つを「しない」ことが、子どもたちの個性を大きく育てている。

 

③夫婦喧嘩をしない。

・大谷選手の母親は小さい頃に「子どもの前で絶対に夫婦喧嘩をしない」の誓いを立てた。

・親が喧嘩をすれば居心地が悪くなり、顔色を窺うようになる。家庭の雰囲気をいつも朗らかにし、子どもたちが話したいことを何でも話せる空気を作っていた。

 

④練習の無理強いはしない。

・渋野選手の父親は、「練習行くか?」と聞いて、本人が気乗りしていない様子の時は「じゃ、今日はやめとくか」と何もさせなかった。

 

⑤他の指導者の指導に介入しない。

・渋野選手の父親は、コーチの指導にも一切介入しなかった。指導者に習ったことと別のことを家で教えたら、子どもは必ず混乱して、上達が遅くなってしまう。

 

⑥「やりたい」意欲を重んじ、余計な口出しはしない。

・藤井四冠の両親は、息子がなにか集中しているときは絶対に止めないように心がけた。本人のなかで区切りがつくまで声をかけなかった。

・中学校にあがると熱中したのは地理だった。両親は「もっと英語を勉強しなさい」とか「数学をやりなさい」ということを言わなかった。

・負けて泣くのも止めなかった。

・内村選手の両親は偏食を止めなかった。

 

⑦子どもに大きな期待をかけない。

・内村選手の母親「期待のキという文字は息子に嫌われるキと同じだ」

・期待するから、望んだような結果がでないと「裏切られた」と怒ってしまう。

 

⑧子どもがやめたいと言い出したら反対しない。

・水泳の大橋選手が大学2年の時に極度の貧血で「水泳を辞めるかもしれない」と両親に相談した時も「じゃあ、実家に戻ってくる?」とあっさりと答えた。「もったいない」と言うプレッシャーは一切かけなかった。

・錦織選手の父親は、小さい時の習い事の水泳、ピアノ、サッカー、野球と息子が「やりたい」と言えば何でもやらせたが、「やめたい」と言い出したら、叱らずスパッとやめさせた。

 

⑨他の子どもと比べない。誰よりも信じてあげる。

・錦織選手の父親は義務教育半ばで海外留学するときも「挫折し中卒になったって、生きていく道はいくらでもある」と語っていた。

・羽生選手の両親は取材を一切受けず、羽生選手自身も家庭環境を語ったことはない。

 自分たちは表舞台に出ず、息子を他の子どもと比べないように育てたのではないか。

・大人だって、同僚や知り合いから比較され、「誰それよりも劣っている」と言われたら、とても嫌な気持ちになる。それなのに子どものことはつい比べてしまう。

 「あの家の子はスポーツもできて成績も良くて羨ましい」などと言われたら子どもの自尊心は傷つく。

 親は、子どもの可能性を誰よりも信じる「最後の砦」でなければならない。(杉山芙沙子氏・杉山愛選手の母)

 

⑩自分の理想を押し付けない。成長を楽しむ。

・取材したご両親は皆一様に「子育てが楽しかった」と語っていた。結局、自分の理想を押し付けないで、成長の過程を一緒に楽しめる親こそ、子どもの才能を開花させる可能性を秘めている。(吉井妙子氏)

 

 あえて「やったこと」ではなく、「やらなかったこと」に注目するとよさそうですね。このネタ保護者会で使えそうでしょ?もう終わっちゃったか?じゃ来学期にとっておいてください。