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No弐-263  韓国社会の格差と貧困 

 昨日の朝日新聞朝刊「世界発2021」の「イカゲームよりリアルな貧困」の見出しが目に留まりました。最近、韓国ドラマへの関心が高まり、視聴する機会が増えたのですが、どのドラマにも共通して感じるのは貧富の格差でした。

 今日は、今だ日本の昭和のような韓国社会の格差や貧困に注目してみました。

 

★韓国の貧困率

・韓国は朝鮮戦争の休戦直後、世界の最貧国の一つだったが、今やOECD加盟の先進国。

・成長の段階を猛スピードで駆け上がってきた反面、こぼれ落ちる人も多かった。

・韓国の相対的貧困率(2019)は16.7%で加盟国の中で4番目に高い。

・15.7%の日本とは1%の違いだが、高齢者(66歳以上)では43.4%(2018)に達し、OECD加盟国平均(14.5%)の約3倍で加盟国で最も高い。

・日本より少子高齢化のペースが格段に速く、年金などのセーフティネットの整備が追いついていない。

 

★スラム街

・スラム街はソウルの永登浦(ヨンドゥンポ)駅の近くにある。古くからの交通の要所で、朝鮮戦争は1953年休戦した後。多くの売春宿ができた。

・建物が老朽化して売春宿が近くの地区に移ると、貧困層が移り住んだ。

・韓国語で「チョクパン」と呼ばれる地区。「間数を多くとった狭苦しい小部屋」という意味。

 

★お家事情

・狭い路地を入ると、平屋や2階建ての古いモルタルの住宅が密集している。屋根が崩れ、灰色のシートで覆った家もある。

・廊下は1人が通れるほどの狭さ。両側に小さな部屋がウナギの寝床のように並ぶ。平均で1.5坪(約5㎡)、狭いもので0.5坪(約1.7㎡)。

・携帯ガスコンロ、炊飯器、テレビが「3点セット」

・住宅内のトイレがあればいい方で、なければ公衆トイレを使う。

 

★生活事情

・ほとんどの住民が月80万ウォン(約7万6千円)の生活保護で暮らすが、うち20万ウォン前後が家賃で消える。

・団体による食料や日用品で生をつなぐ。住民たちが食べるのは主にインスタント食品。

・ほとんどが健康に問題を抱えるが、きちんとした医療を受けられない。今後の課題は高齢化。