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No弐-257  大学での対面授業2

 No弐-4(3月31日)で日経新聞の調査をもとに大学の対面授業を取り上げてみました。

 日経の調査は、今年の3月上中旬、大都市周辺の大学や国際化に力を入れる30校の大学が対象でした。

授業形式は、2020年度後期は、完全対面(0%)、対面中心(3.3%)、遠隔・対面を半々(36.7%)、遠隔中心(56.7%)、完全遠隔(3.3%)。

 2021年度は、完全対面(0%)、対面中心(60.0%)、遠隔・対面を半々(30.0%)、遠隔中心(6.7%)、完全遠隔(0%)、未定(3.3%)でした。6割の大学で対面授業を中心にすることが分かりました。

 

 12月5日(日)の読売新聞に再び大学対面授業を取り上げていました。大学の後期授業方針で対面授業の全面再開が4割弱にとどまっていることが分かりました。

★2021年度後期授業の対面実施方針(文科省、10月7日、1158校回答)

全面対面(36.2%)8割以上(28.7%)7割ほど(18.4%)半分(14.3%)3割ほど(25校)2割以下(3校)

 

・施設利用を制限する大学(33%)

・実験や実技、実習の多い理系学部や1年生の対面授業が偏り、キャンパスに通う機会が少ない学部や学生が多い。

・コロナ禍が理由の休学2677人(前年)→4418人(7割増)

・遠隔授業を望む学生や教員は一定数おり、再開が進まない一因。

 

★大学の対応

・「先行き不透明で現在の感染状況だけで適切な判断を行うのは困難」(東京大)

・「学生数を教室定員の半分程度にしている」(慶応大)

・「オミクロン株の影響が心配」(国際教養大)

・250人以上の大規模授業は遠隔授業だが、8割が対面。大量のパーティション、授業感染例なし、学習成果の教員満足度91%(関西大)

 

★遠隔授業の課題

・卒業に必要な124単位のうち60単位を上限に遠隔授業を認めている。

・新型コロナ感染拡大には、遠隔授業の上限をなくす特別設置を設けている。

・録画配信はいつでも見られるが、学生の意欲の有無で学習効果に差

・同時双方向型の遠隔授業は対話的に学べるが、教員が授業状況を確認しにくい。

 

★各大学生の実態例

・中央大2年生は、週12コマのうち対面授業は2コマ、その他は動画配信。1年生の時に大学の足を運んだのは10回ほど。

・東大2年生は、現在、対面授業はゼロ。

 お気の毒ですね。