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No弐-255 単位のお話  

12月4日(土)日本経済新聞「プラス1」の「くらし探検隊」からです。

「ラグビーのラインなぜ22メートル」の見出しが目に留まりました。

★22メートルラインの歴史

・理由は英国発祥というラグビーの起源にある。

・22メートルラインはもともと「25ヤード」ラインだった。

・1824年、大英帝国は長さを「ヤード」、重さは「ポンド」を基本とする「帝国単位」を定めた。これが日本で「ヤードポンド法」と呼ぶ単位系の基礎だ。

・1969年、競技の国際化を目指すラグビー界は当時の世界基準である「メートル法」導入の検討を始め、76年に正式に移行を決めた。

・25ヤードは22.86m。「22メートル」ラインとサイズはほぼ同じまま、数字と単位が変わった。

 

・50~70年代初期の日本の競技はヤードとメートルを併記。74年度にメートルに統一。

★ゴルフ

・ゴルフは今もヤード表記する国は米国や日本など少数派だ。

・日本は76年にメートル表記に変更したが、その後、通産省がヤード表記も可とすると、87年にはすっかり元に戻った。

 

★単位の国際統一の歩み

・国際的な単位の統一を目指す動きは18世紀のフランスで起きた。

・長さは「北国から赤道に達する子午線の距離の1000万分の1」を1mとするメートル条約が1875年に締結。

・英国は1884年に加盟。日本は1885年に加盟。

・1921年には国内の単位をメートル法に統一したが、実態は旧来の尺貫法やヤードポンド法も併存。

・1951年計量法制定。取引又は証明にメートル法が義務付けられ、尺貫法やヤードポンド法の使用を原則禁止。

・1966年メートル法の完全実施。

・1992年にはメートル法を発展させた国際単位系(SI)に改めて統一。

・メートル法条約締結から140年あまり、ほとんどの国がメートル法化(SI化)を果たした。

・そんな今でも米国はヤードポンド法が日常生活に定着している。アメフトはヤードやマイルの表記が基本。

・英国も道路標識や小売りの現場には現在もヤードポンド表記が残る。

 

★旧単位系の生き残り

・炊飯器の計量カップの「合」。

・一部の工業規格廃は今もインチ換算のサイズが規準。

・ボウリング、カーリングなどの表記やサイズにヤードポンド法が息づく。

 

★こんなところに潜むヤードポンド法

・サッカーのゴールの公式サイズ 高さ8フィート(244㎝)、幅24フィート(732㎝)

・自動車、自転車のサイズの内径 インチ

・ボウリングのボールの重さ(ポンド)、大きさ(インチ)

・ピザのMサイズ直径10インチ(約25㎝) 

・大きなブロック状のバター「ポンドバター」 1個1ポンド(450g)

 

★ヤードポンド法とメートル法

1マイル(1.6093m)、1ヤード(0.9144m)、1フィート(30.48cm) 、1インチ(2.54cm)、1ポンド(453.59g)、1エーカー(4046.85㎡)、1ガロン(3.785l米液量、4.546l英)

 授業のまくらにいかがでしょう?身近なものをヤードポンド法で表したりしてみたら意外に面白いかも?