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No弐-254  学校現場の実態4

 先週月曜日から連載が始まった朝日新聞朝刊「いま先生は 第1部」。今日は最終回4回目(12月4日)からです。中教審元副会長の小川正人名誉教授(東京大)の話です。

★長時間労働の背景

・学校教育の問題の複雑、多様化

 新しい生活指導上の課題(いじめやSNS上の不適切なやり取り、子どもの貧困など)

 保護者の消費的な目線、学校への要求の厳しさ

 社会からの説明責任、関係先への情報提供

 学校評価の作成

・授業時数の大幅の増加(1988年告示の学習指導要領で学習内容大幅削減への激しい批判からその後2回の改訂)

・無限定で多岐にわたる職務への負担、そうした変化に見合った増員が不十分

 

★国の対策

・勤務実態の把握(中教審)、勤務時間の上限のガイドライン(文科省2019)

・「チーム学校」(事務職員や部活動指導員との連携)

 

★授業時数

・教員個々の持ちコマ数の削減

 小学校では週26コマ以上受け持つ教員が4割以上。21~5コマも3割以上。

・「教科担任制」の拡大が必要

 

★長時間労働による健康面の影響

・うつなどの精神疾患による病気休職者(5478人)過去最多(2019)

・1か月以上の病気休暇取得者9642人 ①20代(1.38%)②30代(1.35%)

 

★心の健康確保方策

・労働安全衛生法 50人以上の労働者がいる職場では衛生委員会や衛生管理者、産業医を置く義務

 小中学校は50人未満がほとんど。配置しても形骸化

 

 確かに学校教育の問題は複雑になり、多様化してきています。

 個では対応できなくなっています。ですからもっとチームで職場で対応していく必要があるのです。

 数を増やして、しっかり分業しながら支え合っていける環境を作りたいです。 

 そういう学校の発信がきっかけ少しでも広がることを願っています。

 これからもこういった学校現場の実態を新聞でたくさん取り上げてもらい、多くの人に知ってほしいですね。