昨日の朝日新聞朝刊の教育欄に「教員未配置」の実態を紹介した記事が載っていました。
佐久間亜紀教授(慶応大・教育学)と元公立学校教員の島崎さんがある県の実例をもとに明らかにしました。
★「未配置」とは?
・正規の教員を配置しなければならないのに欠けている状態
・穴を埋めるためにフルタイムの臨時的任用教員を雇っても確保できない状態
・雇う対象を非常勤講師まで広げても確保できない状態
★「第1次未配置」調査
・今年5月1日時点の正規教員の人数が、必要な配置数と比べて何人欠けているか。
・X県内1971人
①県教委が学校に配置する正規教員が少ないために不足(1232人)
②正規教員が産育休をとったことで不足(703人)
③正規教員が病気休暇で休職したことで不足(36人)
★正規教員の不足が生じる理由
①県教委が今後の少子化を見込んだ採用の抑制
②特別支援学級の子の増加
・障害の種別ごとに対象の子が1人いると1学級必要になるが、その子が他県に転校すると学級が減り、教員を減らす必要が出てくる。
その際、臨任の方が対応しやすいため、非正規教員を優先させ、正規教員の雇用を抑制する傾向がある。
③教員採用試験の応募者の減少
・倍率低下で質が下がるのも恐れ、増やせない。
「第2次未配置」調査
・1971人の不足を埋めるためにフルタイム臨任を探す。1821人(150人未配置)
・臨任は正規教員の採用試験に落ちた人が引き受けることが多かったが、採用試験の倍率が下がり受かりやすくなり、引き受け手が減っている。
★「第3次未配置」調査
・150人の不足を埋めるために非常勤講師を探す。122人(28人不足)
・非常勤講師は主に退職者が担い、60代が半分以上を占める。
・採用の障害が教員免許更新制。現場に戻るつもりはないと更新講習を受けなかった人は免許が失効し、教壇に立てない。
・28人の不足を埋めるためには、学校で何とかするしかない。
・教頭も授業を受け持ち、各教員が担当コマ数を増やして、非常勤講師の採用を待つ。
★「第4次未配置」(やりくりしても教員が足りず、授業をする人がいない状態)の実態
・新学期に担任が発表できない。
・授業を行うことができないため自習にせざるをえない。
・授業ができない教科を翌月に回す。(中学校)
こうした事態は各地で起きているといいます。いつものパターンで学力に影響がでると慌て出す。これじゃ遅いんです。
特別支援学級の子どもの増加への対応、免許更新制の見直しなど早急に取り組むべき課題がたくさんあります。
もっと真剣に対策を練らないと、皆さんの負担が増し、子どもの学ぶ意欲が低下してしまうのが心配です。
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