· 

No弐-247 学校現場の実態1

 今日から朝日新聞朝刊に「いま先生は 第1部」の連載が始まりました。「本来の仕事である授業に注力できない現実を報告し、学校現場の働き方を考えます」と書いてありました。

 ぜひ私たちも一緒に考えてみませんか?

 今日は2人の先生の生の声をまとめてみました。

★男性教諭(神奈川県の公立小学校、4年生担任、30代)

・放課後になってからずっと、机から離れられずにいる。運動会準備の打ち合わせ、予定表の印刷、時間割の修正…。

・出勤してから11時間近くたつのに、休憩できていない。給食は数分でかきこんだ。

・「きょうも自分の仕事ができなかった」翌日の授業準備と言う一番大事なことをおろそかにしているうしろめたさを感じている。

 

・学校にはほかの子に頻繁に手を挙げる子がいる。そのたびに両方の保護者に説明し、被害児童の家庭に謝罪する。

・事務作業も期限もあって後回しできない。

・授業準備や教材研究に手が回らない。授業前の5分休憩に教師用指導書をざっと見て、1分ほどで授業の組み立てを考える。教科書の文章を授業中に子どもと一緒に初めて読んで内容を把握する。「ぶっつけ」も少なくない。

 

・減らない業務量、増えない人手、教育行政への不満や怒りは常にある。それでも子どもの成長を間近で見られるのは楽しく、「少しでもいい授業をしたい」その一心で、教壇に立ち続けている。

 誰もが通る道です。ここが分かれ道のような気がします。

 

★女性教諭(中部地方の市立小勤務、33)の話

・学校から渡された書類のあちこちに疑問をメモ書きしている。

・百人一首の暗唱を1年生に刺せる意味は?

・計算の時間を計り順位をつけ表彰状を出し、通知表に書く必要は?

・細かいチェック 「身だしなみ月間」? 「ハンカチ・ティッシュを持っている」、「ネームをつける」などについて学級全員ができたら赤丸シール3枚、9割以上だと2枚貼る。全クラス分を掲示。

 

・1学期の書類だけでファイル(厚さ30㎝)3冊分。朝学習、行事計画表、生活指導、コロナウイル対策…。

・学級の児童名簿、保護者への引き渡しカード作り、下足箱のシール貼り

・コロナを巡る話し合い 音楽の楽器演奏、プールでの子ども同士の間隔…。

・GIGAスクール構想の負担 1台ずつのパスワード設定、研修もなく操作に右往左往。

 

・毎日、勤務時間内に事務仕事が終わらず、土日のどちらかに出勤。

 4月に体調を崩し、ゼリーしか食べられなくなった。

 車で帰宅する際に涙が止まらなくなった。

 家族に話を聞いてもらい夏休みになり、何とか持ちこたえた。

・「こんなはずじゃなかった」と思う。日々の忙しさに追われ、理想に近づく実感が持ちにくい。

・手応え感じる瞬間はある。子どもの成長と言う魅力があるから耐えられている。

 

・「頑張ってしまい教師の善意があるから変ならないんじゃないか。」どうすれば学校の働き方改革は実現するのか、疑問を出し合うことが重要ではないか。「まずは?を書いた理由を同僚に話してみたい」。小さくてもできることから挑戦していこうと決めている。

 

 疑問が増えるのも成長です。しかし、雑務に振り回されて、子どもを伸ばす使命を見失わないことです。

 お2人の話を読んでどう思いましたか?皆さんの中にも同意見の方もたくさんいらっしゃるでしょう。私も今日朝ウオーキングをしていて、新採3年間は遊べなかったことを思い出しました。