11月17日(水)読売新聞朝刊「ニュースの門」からです。「『茶色いダイヤ』に熱視線」と言う見出しから、「茶色いダイヤ」って何のことだかわかりますか?
科学の世界でも、便に含まれる腸内細菌の長寿や運動能力の向上につながることから「茶色いダイヤ」と呼ばれているんだそうです。
・11月10~19日は、NPO法人日本トイレ研究所が定める「うんちウィーク」。
・便の形状は、コロコロ便から水溶便まで7段階に分かれた「プリストルスケール」がある。
・LIXILは、プリストルスケール判定するトイレを開発中。社員の3000枚の便の画像。
・腸内細菌に関する論文は、この10年で10倍以上に。
★広がるうんこドリル
・「うんこ漢字ドリル」。2017年発売以来、算数や英語などのドリルも登場し、シリーズ累計販売部数は約950万部(10月末現在)に上る。
・東大との共同研究では、このドリルは通常のドリルよりも成績の上昇率が高く、記憶が定着しやすいとみられることが分かった。(なぜなんでしょう?)
・今年3月には、海上保安庁と連携した「うんこ海の安全ドリル」が誕生。
いくら売れるとはいえ、個人的にはこんな言葉が広まってほしくありません。
★便に含まれる腸内細菌と人の健康との密接なかかわり
・イリヤ・メチニコフ(ロシアの微生物学者)が、ヨーグルトで有名なブルガリアに長寿者が多いのに気付き、「乳酸菌で、老化の原因になる菌を駆逐できる」との説を広めた。
・慶応大などでは、今年7月、100歳以上の長寿者約160人の便を調べ、腸内細菌が作る特定の抗菌物質が多く含まれていると発表した。
★「便移植」
・健康な人の便を移植し、腸内細菌のバランスを整えることで病気を治す。
・石川大准教授(順天堂大)は難病「潰瘍性大腸炎」を便移植で治療する臨床実験を進めている。
・健康な人の便を生理食塩水に溶かしてフィルターでろ過し、患者の大腸に注入する。
・スウエーデンの研究では、若いマウスの便を老マウスに移植すると、学習や記憶能力が改善した。
・ダイエットやアンチエイジングをうたって便移植を行うクリニックも登場している。
★腸内細菌が運動能力に与える影響
・新興企業「AuB」(元サッカー日本代表の鈴木啓太さんが企業)は、トップアスリート約750人の便を集め、分析している。
アスリートの腸内細菌は一般の人に比べて種類が多様。
特に駅伝選手は、免疫や持久力に関係する可能性がある「酪酸」を作る細菌の割合が2倍。
・筋肉も腸内細菌の働きで増やせるかもしれない。
・パプアニューギニアの高地に住む住民は、イモが主食で肉をほとんど食べないのに、筋肉質なことで知られる。
東大などの研究で、腸内細菌の種類は大きく日本人とは大きく異なり、空気中の窒素からたんぱく質の材料を合成する細菌がいることも分かった。
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