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No弐-237  高校野球の監督から学ぶ  

 今朝は、大谷選手のメジャーリーグ満票年間MVPのニュースが速報で流れました。

 昨日の朝日新聞朝刊「オピニオン&フォーラム」のテーマは「異才は育てられるか」でした。インタビューしたのは、メジャーリーガーの大谷選手、菊池選手らを輩出した花巻東高校野球部の佐々木洋監督でした。そこで今日は、監督の話に注目してみました。

★選手の才能をみるときのポイント

・身体能力は重要。骨格は遺伝するので親も観察。

・さらに重視するのは、①親が子どもにどんな言葉をかけているか、

 ②他の親とどんなふうに接しているか、

 親の育て方や考え方で子どものマインドは変わり、伸びしろに差が出る。

 

★才能の開花

・指導者で才能を開花するのはうそだ。

・私は自分なりの経験と勉強で選手の才能を開花できるようにと考えているが、育て方に正解はない。

・指導によってすごい選手を生み出すのは難しいが、だめにしてしまうのはたやすい。

 

★東北の選手の指導法と練習法の課題

・指導とは想像以上に「こうしたもんだ」という常識に支配されており、その常識はロジックや合理性を伴わないものが多い。

・東北の冬は雪深く、実戦練習ができないので、下半身こそ基本と言って、走り込みをしたり、雪を固めてサッカーをさせたりしてきた。

・野球は前から来るボールを打つ競技。それができるようになる練習を考えないといけない。

・走り込みは大事だが、ひたすら走り込めば、マラソン選手のように下半身が細くなってしまう。

・特殊なボールを使った室内練習などで冬も野球ができるようにした。

・寮生活では白米をたくさん食べさせ、体をサイズアップさせた。

 

★適性の見極め

・まずは適性を見極め、本人にあわせたポジションや役割をあわせて才能を伸ばしていく。

・日本は才能の見極めがあまりに早すぎる。

・米国の場合、様々な協議を経験させて適性を探った後に選ぶ。

・バスケやラグビーでもっと活躍できる子どもを野球と決めつけたらもったいない。

 

★才能をつぶさない極意

・重視しているのは、考え方のインストール。

・部員たちには目的と目標の違いを伝え、目標達成のための数値を明確にし、こと細かく設定させる。

・環境を整えて、子どもたちの意識を変えて意欲を促していく。

・子どもの才能を開花させるには、こうした強制が必要なタイミングがある。その点で最近の教育は自主性の重視に偏りすぎている。

・いまの指導者は画一的な「システム」に子どもたちをあてはめすぎている。むしろこれから必要なのは「カスタム」。

・身体や運動能力がある人間と、そうでない人間には必要な練習が違う。指導者は各選手に合わせた練習やアドバイスをしなければならない。

 

・徒競走でいつも最下位で恥ずかしいと思うことがいるとする。

 その子には、少しでも順位を上げるにはどうしたらいいか、脱落しない方法を伝えて考えさせる。

 また、自分は運動は最下位でいいから、勉強でトップになると考えてもいい。

 最初から子どもに見極めさせるのは難しいから、大人が少し助けてあげる。

 

 いかがですか?同じ指導者として参考になりませんか?大谷選手も菊池選手もいい指導者と出会えたんですね。