今日は、瀬戸内寂聴さんが残した言葉に注目してみたいと思います。
・なぜ書き続けるのか?「まだお母さんともしゃべれない幼い娘を捨てて文学の世界に飛び込んだから、書き続ける責任がある。私は幸せになっちゃいけないの」
・「娘を残して小説家になったから家族の姿がずっと気になっていた。世の中は変わる。家族も変わる。だけど人間の原点は家族よ」
・「家庭でも核家族化して年寄りがいなくなって、良い伝統が伝わらなくなった。
子どもたちは、人間が老い、病み、死んでゆく過程を身近に見なくなったから、命について考えもしないし、死の避け難い運命を知ろうともしない」
・好きな1字はもちろん「愛」。「愛する人と2人、窓の外を見ると、雨が降ってきたとするでしょ。『ほら、いい雨ね』。いつまでも、そう言えるのが愛よ」
・「恋を得たことのない人は不幸である。それにもまして、恋を失ったことのない人はもっと不幸である。多く傷つくことは多く愛した証(あかし)である。
人は死ぬために生まれ、別れるために出逢い、憎み合うために愛し合う。
それでもこの世は生きるに価値あり、出逢いは神秘で美しく、愛はかけがえのない唯一の真実である」
・「好きな言葉は『情熱』。情熱がなければ生きていてもつまらない。『青春は恋と革命』。その情熱を失わないまま死にたいのよ」
・「人間の幸福とは自由であること。自由とは、自分のしたいことができること。
誰にでも才能が眠っているけど気付かないだけ。
生きることは、隠れた自分の才能に水をやり、肥料をやり、きれいな花を咲かせること。
どんな小さなことでもいい。それができたら『ああ生きた』と思えるはず」
・「戦後の日本はお金、お金、お金になり、恐ろしいこと。本当は目に見えないものが大切。
神や仏、ご先祖様は目に見えない。もっと見えないのは人の心。しかし、生きていく上で一番大切」
・「自分の国の伝統や芸術に誇りをもたないで育った子どもはどうなりますか。
義務教育で国語をしっかり教えること。
日本語ができないのに英語だけうまくなってどうするんですか」 昨年12月31日(木)の朝日新聞朝刊に、明日数え年で100歳を迎えるということで寂聴さんの電話インタビューの記事がありました。印象に残った言葉は、
・生きるとは、さみしさをなぐさめ合うことです。恋愛だって、そうじゃありませんか。お互いに孤独だからこそ、なぐさめてほしくて愛し合う。
・「にんべん」に「憂」と書いて、「優しい」でしょ。人の憂いをなぐさめるのが優しさ。人は優しさに弱いのよ。
・恋は理性の外のもので、突然、雷のように天から降ってくる。雷を避けることはできない。
・どんなに熱い恋愛だって、その気持ちは5年も続きやしません。
それと同じで、いまコロナでどんなに孤独で苦しくても、その苦しみは永遠に続きませんよ。「すべてのものは移り変わる」というのが、お釈迦様の教えです。
・作家は昔の作品より、いま書いた1行をほめてほしいもの。
生きているうちは、自分を燃やしていないと。体力がいります。
そのために毎晩、好きなお肉と少しのお酒を欠かしません。
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