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No弐-201 昨年度の不登校・自殺・いじめ

  今日は、各紙に文科省の「問題行動・不登校調査」(2020年度)で不登校と自殺が最多になった記事が目に留まりました。昨年度はどうだったのでしょう。

 

◎不登校

・2020年度に不登校だった全国の小中学生児童生徒は19万6127人(前年度比8.2%増)

 *「不登校」は病気、経済的理由、感染回避などを除いて年間30日以上を指す。

・小学生6万3350人(1万人・8.7%増)、中学生13万2770人(4855人・3.8%)、高校生4万3051人(7049人減)

 いずれも8年連続で増加。前年度から計1万48855人増加。統計開始(1991)以来最多。

・一斉休校、夏休みの短縮、修学旅行や運動会の中止、フリースクールの認可などが要因

・感染回避は小中高校で計3万287人。

・要因 無気力・不安(47%)、友人関係や学業不振など学校に関わる状況(23%)、親子関係など家庭に関わる状況(14%)

・生活リズムの乱れなど(12%)小学生8863件(61%増)、中学生1万4576件(33%増) 

 

◎自殺

・2020年度に自殺した小中高生は415人(95人増)調査開始(1974)以来最多。

・小学生7人(3人増)、中学生103人(12人増)、高校生305人(82人増)、女子高生301人(68人増)

・2020年度の警察庁統計は507人

・要因「家庭不和」53人(20人増)、「精神障害」46人(17人増)

・コロナ禍でテレワークが推奨され、保護者が自宅に滞在する時間が増え、息苦しさが増した影響

・家庭で居場所のない子供たちの救いの場になっていた学校の休校、行事の中止や延期も影響。

 

◎いじめ

・小中高と特別支援学校のいじめ認知件数は51万7163件(15.6%減)。7年ぶり減少。

・小学校42万897件(6万3648件減)、中学校8万877件(2万5647件減)、高校1万3126件(5226件減)、特別支援学校2263件(812人減)

・「重大事態」514件(209件・28.9%減)

・再調査17年度まで3件以下が、20年度は11件と増加傾向。

・コロナ禍で子ども同士が物理的な距離を取り、授業や学校行事、部活動が制限され、やり取りが減ったことが影響。

・「パソコンや携帯電話などの中傷や嫌がらせ」(ネットいじめ)は1万8870件(946件・5.7%増)項目が入った2006年度以降最多。

  小学校7407件(32%増) *小学生のスマホ利用率53.1%(2020年度)

・墨田区や奈良市などでは、端末に民間の相談アプリを搭載し、教育委員会が子どもからの相談に応じる態勢を整えている。

 

・制限続きの学校生活で、漠然とした理由の不登校が増加。

・子ども同士の接触減少で減ったとされるいじめは、感染対策に追われる教員の見逃しの可能性も指摘される。

・孤立感を深める子どもと多忙化に拍車がかかる教員。学校現場に新たな課題が重くのしかかる。

・阪神大震災や東日本大震災では子どものストレスは2、3年後に噴出した。

・コロナ以前の日常を回復する動きが本格化した21年度が危険と感じる教員は多い。

 

 これらの指摘を受けて、現場ではいかがでしょう?今年度は半分を終え、これらの数字は下がる手応えがあるでしょうか?