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No弐-172 2021全国学力テスト結果2

  今日も、全国学力テストの国語と算数の考察の情報をお伝えします。読売、朝日両新聞朝刊(9月1日)からです。

 

◎国語の考察

・小学国語64.9%(2019年度64.0%)、中学国語64.9%(同73.2%)

・目的や意図に合わせて資料を使って話すことはできていた。

・文章と図表を結びつけ、必要な情報を取り出すことは引き続き課題が見られた。

★水戸部修治教授(京都女子大・国語科教育学)の話

・もっと低い年もあり中学の力が落ちたとは言えない。

・小中ともに、内容に内容は理解できていても、目的に応じて文章や図表を結びつけながら、必要な情報を見つけることに課題が見られる。

・2003年の国際学習到達度調査(PISA)から指摘された課題に大きな改善は見られない。

 

・段落分けして内容をまとめる受動的な授業では対応できない。

・どこに着目して読めばよいか判断できる能力を育成する必要がある。

・図書館で本を読み比べたり、図や資料のある新聞を読んだりする活動が大切だ。

・低学年から調べ学習の土台になる図鑑や本を多く見せる。

・中学年では新聞など複数の資料を比較して意見を発信する。

・高学年で質を高める段階的な授業展開が必要だ。

 

・大量の情報の中から目的に応じて必要な情報を見つける能力

 異なる言語や考え方を持つ人たちと協働して解決策を見出す能力が重要になる。

 将来的にはこんな能力は必要になってきますね。

 

◎算数・数学の考察

・算数70.3%(2019年度66.7%)、数学57.5%(同60.3%)

・記述問題の正答率が低く、無回答率が高い傾向が見られた。

・データから必要な情報を読み取り、それに基づいて判断する力に課題が見られた。

★清水紀宏副学長(福岡教育大・数学教育学)

・知識を問う問題は得意でも、公式の成り立ちを理解したり、解き方を言葉で説明したりすることが依然として苦手な傾向にある。

・面積を求める問題では公式を知っていても、様々な数値が示された図から底辺や高さに当てはまる数値を選べない児童が目立った。

・算数・数学の授業だけでなく、総合的な学習の時間などにも統計教育を取り入れれば、生きた学習になるだろう。

 

★添田佳伸教授(宮崎大)の話

・授業でも児童生徒が解き方を詳しく説明するといった機会は増えているが、まだ成果が十分には出ていないようだ。

・教室での発表のように、グラフに線を書き込んだりしながら口頭で説明すれば多少言葉足らずでも伝わるが、文字だけで正確に説明するのは難しい。もう少し易しい内容の問題で、書いて説明する練習が必要だ。

 

 算数でも表現力を鍛えておく必要がありますね。