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No弐-167  パラリンピアンから学ぶ3

  今日もお伝えできなかったパラリンピアンを紹介しますね。

 卓球のポーランド代表のナタリア・パルティカ選手(32)はこんなことを言ってます。

「五輪は明快に世界最高峰の選手たちに刺激を受ける。パラリンピックはどの選手にも出場をかなえるまでにさまざまな物語がある。五輪とは違った刺激にあふれている」

 結果ではなく、ここへ来るまでの過程に様々な物語を感じるから感動するわけです。

 

★ナタリア・パルティカ選手のエピソード「五輪とは違う刺激にあふれている」

・生まれつき右ひじから先がない。右ひじ付近にのせた球をトスし、左手でサーブを放つ。

・東京五輪にも出てシングルスで2回戦敗退。パラリンピックでは、絶対女王として君臨し続ける。11歳で2000年シドニー大会に出て、04年アテネ大会からはシングルス4連覇と無敵を誇る。

・今大会では、シングルス銅メダル、団体で金メダルを獲得した。

・15年にはスポーツをする環境に恵まれない母国の子どもたちを支援する財団を立ち上げた。

 

 こんな選手もいました。シッティングバレーボールのイラン代表のモルテザ・メフルザドセラクジャニ選手(33)をご覧になられましたか?

 2m46㎝の長身で、2大会連続7度目の優勝の立役者になりました。

★モルテザ・メフルザドセラクジャニ選手のエピソード

・成長ホルモンが過剰に分泌される病気で身長が伸び続けた。

・16歳の時に自転車で転び、骨盤を骨折し足に障がいを負って車いす生活に。

・「恥ずかしい」と引きこもったが、テレビ出演をきっかけに競技に誘われた。

・「家の中で座るだけだった生活をシッティング・バレーが変えてくれた」

 

 まさに壁ですね。柔道やレスリング、ボクシングなどは体重別ですが、身長別ってあっても良い気がしますがいかがでしょう。 パワーリフティングのガーナ代表のエマニュエルニーテティ・オク選手(30)は、男子72キロ級で160キロを持ち上げて7位に入りました。

 ガーナの人口は約3042万人(2019)、障害のある人は約500万人(2012)います。

 今大会では、サハラ砂漠以南の49の国・地域で、開会式と閉会式が無料で生放送され、アフリカ選手の活躍をまとめた52分間の番組が連日無料で放送されたそうです。

 

★エマニュエルニーテティ・オク選手のエピソード「変えたい 閉じこもる気持ちを」

・ガーナの小さな街で城の警備の仕事をしていた2013年、事故で銃弾が左足の太ももを貫通し、傷は深く、切断した。

・16年のリオ大会で躍動する選手たちを見て、自分もやりたいと思った。友人に話すとパワーリフティングを紹介された。

・「ガーナでは障がいがある人はまだ家や学校に閉じこもっていることが多い。活動にあまり参加したがらない。そんな人たちの気持ちを何とか変えたい」

・「パラリンピアンが話題になって、障がいがある人への偏見をなくす闘いに大きく貢献すると思う。自分もその活動の一部になれたらいい」

 

 偏見と言えば、陸上女子400mに出場したザンビア代表のモニカ・ムンガ選手の話も強烈でした。

★モニカ・ムンガ選手のエピソード

・生まれつき髪や肌の色素が薄い遺伝子疾患「アルビノ」で、視覚障害がある。

・4歳の頃、自宅に父型のおばが訪ねてきて、母が留守にしているすきにムンガの背中を傷つけ、注射器で血を抜いた。呪術に使うために依頼されたという。

・周囲から「人間じゃない」などと言われ、差別を受けてきたが、12歳の頃にスポーツクラブに入って始めた陸上が、傷を癒してくれた。

・昨春に息子を出産し、秋にはトレーニングを再開。

・今春、東京大会でザンビア唯一のパラ選手としても切符をつかんだ。

・400m予選に出場し、6人中5位で予選落ちだったが、記録を3秒近く更新。

 

・アフリカではアルビノの体の一部を得ると幸運になれるという迷信があり、偏見や差別も根強い。

・年月が経ってもアフリカではアルビノの人の身体を切断して高値で売買する人たちがいる。

・アフリカ28カ国で208人殺害、585人が襲撃された(06~19)。被害者の多くは女性や子どもだ。

・「もうこれ以上殺される人が出てほしくない。走ることが、偏見をなくすキャンペーンになれば」

・「アルビノの人でも、女性でも、母でも、スポーツができることを示して差別をなくしたい」

 

・競泳女子のウガンダ代表フエス・クワンダクウェ選手(14)もこう明かします。

「私の国では障害児はほとんど捨てられる」

「母国の人は大会を見て間違いに気付くだろう」

 

 偏見や差別が少しでもなくなることを切に願っています。それには教育しかありません。こういった生きた教材を使って学んでいく機会がもっと必要な気がします。