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No弐-153 メダリストから学ぶ14

 パラリンピックでは、車椅子ラグビーの3連勝に興奮しています。夜の車いす男子バスケットに期待です。

 卓球シングルスに出場したエジプトのイブラヒム・ハマト選手の試合の様子をテレビで見て驚きました。

 両腕欠損のため、口にラケットを加えて、ボールを打つのです。サーブでは、球を右足の指でつかんで放り上げ、首を振ってスピンを掛けて撃つのです。すごい。

 2度目の出場で、首の筋力と噛む力を鍛えて臨んでいるそうです。初戦は負けてしまいましたが、応援したいです。

 

★鈴木孝幸選手のエピソード2

・幼い頃から特別視されるのを嫌った。小学校の階段をはって上り、他の子どもと一緒に逆立ちや縄跳び、サッカーにも挑戦した。

・左手3本の指で器用に筆を握り、習字の全国コンクールで賞を取ったことも。障害を言い訳にせず、一つずつ。できることを増やし、磨いた。

・無念のリオ大会から体つくりを見直し、さらに得意の50m平泳ぎだけでなく、自由形で新たな可能性を模索。

・沈む下半身の抵抗をなくすために体幹を強化。

・一定のペースで3キロ泳ぐ持久系のトレーニングに力を入れた。この不断の努力が、最後の粘りに生かされた。

 

★富田宇宙選手のエピソード

・3歳で水泳を始め、高校2年生で徐々に視野が狭くなる網膜色素変形症が判明した。 

・宇宙飛行士になる夢も、大学で熱中した競技ダンスも、視力が落ちるにつれて諦めるしかなかった。

・23歳で再び水泳を始めた。障害者がハンディを乗り越えてぶつかりあう真剣勝負に魅せられた。社会に与える力も感じた。「奥深いエンターテインメント」に自分も出たいと思った。

・現在全盲クラスで競技に臨む。まるで無重力の宇宙で泳いでいる気分になることから「スペーススイマー」と名乗る。

・400m自由形タイムは4分31秒69(アジア新記録)。金のロヒール・ドルスマン選手との差は3秒22。2019年世界選手権での差は4秒26。1秒04締めたことになる。

・世界選手権のレースを分析し、ターン1回で0.5秒近くの差をつけられていることを知る。早く大きな回転をするためにタッピングしてもらう位置を30~40cm壁から遠ざけた。

リスクにおびえるのではなく、挑戦を選んだ。

・表彰式を終え、「自分が障害を負った意味は、この瞬間にあったのかな」と声を震わせた。