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No弐-139  視聴率

 No弐-122(7月27日)「メダリストから学ぶ2」で紹介したように東京五輪の開会式の視聴率は56.4%(世帯)、40.0%(個人)。約7061万人視聴(日本国民の約6割相当)したことになり、記録は歴代2位でした。

 1位は、東京(1964)の61.2%、3位はロサンゼルス(1984)の47.9%。

 

 閉会式の視聴率は、46.7%(世帯)、31.5%(個人)で歴代3位。1位は、東京(1964)の63.2%、2位はミュンヘン(1972)の46.7%でした。

  

 競技の視聴率1位は、野球決勝「日本VS米国」37.0%(世帯)、23.5%(個人)。

 2位は、陸上男子マラソン 31.4%(世帯)、30.8%(個人)。

 3位は、サッカー男子準決勝「日本VSスペイン」30.8%(世帯)、19.6%(個人)でした。

 他には、サッカー男子準々決勝「日本×ニュージーランド」、卓球女子団体決勝「日本×中国」、野球男子準決勝「日本×韓国」と続きます。

 野球決勝、男子マラソンは、コロナ禍3連休で在宅率が高かったことも影響しているようですが、やはり、野球、マラソン、サッカー、卓球、柔道、ソフトボール、体操などの関心が高い国民性なんですね。

 

 少し前になりますが、6月12日(日)の読売新聞「ニュースの門」では視聴率のことを取り上げていました。

・視聴率が使われ始めたのは1960年代。テレビが急速に普及し、広告媒体として注目され、その評価の目安が求められようになったからだ。

・それから約半世紀。1家に1台だったテレビは、1部屋に1台にまで普及。録画機器の発達で、視聴者はリアルタイム視聴にこだわらなくなった。

・動画配信サービス利用も増え、世帯視聴率は視聴実態を反映できなくなってきた。

・ビデオリサーチ社は、97年から関東地区で個人調査率の調査を始め、昨年3月ほぼ全国で実施することになった。録画番組の視聴も集計し、実態を精密に把握できる。

・NHKの紅白歌合戦や大河ドラマなどの視聴率は今でも世帯視聴率で報道されるが、民放のテレビ局はすでに個人視聴率を重視し始めている。

・分母が大きくなるため、世帯より個人の方が視聴率は低くなる。

・視聴者の輪郭がぼやけていた世帯視聴率より、その姿が良く見える個人視聴率を重視するのが当然の流れだ。

・テレビ視聴率は漸減傾向にある。世帯視聴率が30%以上あった番組は95年は21本あったが、2020年は3本だけだった。

・個人視聴率が始まったことで「半沢直樹」の最終回(21.5%)を「〇万人が見ていた」と視聴人数を推計できるようになり、番組の影響力を示しやすくなった。

 さて、それでは、歴代視聴率ランキングを調べてみました。

1位 第14回 NHK紅白歌合戦(1963)81.4% 

2位 東京オリンピック 女子バレー(1964)66.8% 

 日本のスポーツ中継では、この66.8%は歴代最高記録でいまだ破られていません。

3位 サッカーワールドカップ 日本VSロシア(2002)66.1% 

 日本は第2戦でロシアに勝利し、ワールドカップ初勝利の記念すべき試合です。日韓自国開催で、時差がなかった事が高視聴率に繋がりました。

4位 プロレス デストロイヤーVS力道山(1963)64.0% 

5位 ボクシング 原田VSエデル・ジョブレ(1966)63.7% 

6位 おしん(1983)62.9%

 プロレスもボクシングのこの試合も見ており、どれも覚えているんですからませた小学生でした。

 

 紅白歌合戦を超える数字を記録したのが、「浅間山荘事件」(1972)です。連合赤軍が軽井沢の浅間山荘に人質をとって立てこもった事件です。事件が解決した2月28日の視聴率は、民放とNHKを合わせると89.7%に達しました。

 

 野球では、1994年10月8日の中日ドラゴンズ×巨人戦48.8%。この試合は、日本プロ野球史上で初めてのリーグ最終戦で勝率同率首位・直接対決の優勝決定戦でした。

 

 バラエティ番組では、ザ・ドリフターズの「8時だョ!全員集合」。14年間平均視聴率は27.3%、最高視聴率は50.5%でした。

 

 アニメでは、手塚治虫の「鉄腕アトム」の40.3%でした。次に「ちびまる子ちゃん」 39.9% 「サザエさん」39.4%、「Dr.スランプ アラレちゃん」36.9% 、「オバケのQ太郎」 36.7%。

 どれも世帯視聴率の数字が示されているので、これからは比較しにくくなりますね。