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No弐-138  オリンピアンから学ぶ2

 今日も朝日新聞に「Why I Stand だから私はここにいる」に登場した海外の2人の選手を紹介します。

 

③「13年前 表彰台で敵国と抱き合い 今限界にたどりつけた」

 この見出しでどんなことを想像しますか?

 

 射撃に出場したジョージア代表のニノ・サルクヴァゼ(52)の選手の話です。(7月26日)

 13年前の2008年の北京五輪の開会式当日、ジョージアとロシアとの間で軍事衝突が起きました。2日後、サルクヴァゼ選手は銅メダル、銀メダルはロシアの選手で、2人は表彰台で抱き合い、観衆から拍手が沸き上がったという話です。覚えている方いますか?

「人が戦争を始めたのではない。政治家が始めたのです」

「私の祖国は当時、厳しい情勢にあったけれど、勝者を称えるのはアスリートの礼節として、当然のことだと思う」

 

 今大会は、残念ながら予選53人中31位で決勝は進めませんでした。

「実は2年前に(利き目である)右目の手術をした。日常生活には支障ないけれど、射撃選手としては難しい。だから、1年前から左目で見て撃つように変えた。でもやはり、限界がある。さっきのが、私の五輪での最後の1発」

 

 14歳で射撃をはじめ、19歳で五輪に初出場した20年前のソウル大会(1988)では、ソ連代表で金・銀メダル。前回のリオ五輪では、息子と五輪史上初の「母子出場」を叶えました。52歳までお疲れ様でした。

 夏季五輪9回目の出場は歴代の女子で単独1位です。

②「偏見と戦う先頭は怖い でも覆(くつがえ)し続ける」

 この見出しで何の種目を想像しかすか?

 

 イギリス代表のアリス・テアリング(24)選手の話です。(8月5日)

 オープンウォータースイミングに出場しました。英国の黒人女性が五輪の水泳種目に出るのは、史上初めてでした。

 結果は周回コース10km泳ぐレースで19位でした。

 

・踏み出した1歩の意義は大きい。

・「自分にとっても、黒人社会にとっても、一つの壁を壊せたことがとれもうれしい」

・「黒人男性の水泳選手が初めて英国代表に選ばれてから40年が経ってしまった。(後れをとったことが)残念でならない」

 

・英国では「黒人は泳げない」という迷信がいまだに根強く残っている。

・「黒人社会ではこれまで、水泳は必要ないものとみなされてきた。水泳はどの人種も関係なく楽しめる。『黒人は泳げない』なんて偏見を、覆したい」

・英国内での黒人の水泳人口を増やしたいと、2020年には「黒人水泳協会」の立ち上げに関わった。

・黒人特有の日理がりやすい髪質の人が使いやすいようにと、通常よりも大きなスイミングキャップの開発にも助言などで協力した。

・黒人の先頭に立って活動を続けることは「とても重いし、怖いと感じることもある」

・それでも歩みは止めない。「これからも壁は壊し続けたい」

 黒人の水泳金メダリスト誕生はいつになるでしょうね?楽しみです。