今日は女の子の名前です。資料は同じく明治安田生命の「名前ランキング 生まれ年代ベスト10」からです。
まず、大正・昭和はどんな名前が多かったのでしょう?
大正元年(1912)①千代②ハル③ハナ④正子⑤文子⑥ヨシ⑦千代子⑧キヨ⑨静子⑩はる
カタカナが多いのが分かります。大正で一番多かったのは「キヨ」の8回、次が「ハル」の6回、「キミ」の5回。大正10年でカタカナはなくなります。
昭和元年(1926)①久子②幸子③美代子④照子⑤文子⑥和子⑦信子⑧千代子⑨光子⑩貞子。女性は全て「〇子」ですね。
「〇子」全盛で、昭和32年(1957)9位に「明美」が入るまでの大正10年(1921)から昭和31年(1956)まで35年間続きます。
男の子の名前は18回1位になった昭和のチャンピオンは「誠」でしたが、女の子は何だと思いますか?
大正時代は、1位は「文子」の5回でしたが、昭和は2年(1927)~16年(1941)14年連続、16年(1941)、18年(1943)~23年(1948)6年連続、25年(1950)~27年(1952)3年連続の「和子」が24回でダントツでした。
昭和の親が女の子には「和」を求めたのでしょうね。
昭和初期10年(1935) から①和子②幸子③節子④弘子が5年連続で続いた時もあります。
昭和17年から20年までは男の「勝」と同じく「勝子」が登場します。
「和子」の後は、昭和29年(1953)・30年(1954)、31年(1956)~36年(1961)6年連続8回で「恵子」が続きます。
その後、昭和38年(1963)・39年(1964)、41年(1966)・42年(1967)の4回の「由美子」、
昭和43年(1968)~45年(1970)は3年連続3回で「直美」、
昭和46年(1971)~49年(1974)、53年(1978)5回の「陽子」、
昭和51年(1976)・52年(1977)、54年(1978)年3回の「智子」と続きます。
そして昭和58年(1983)~平成2年(1990)まで8年連続1位は「愛」でした。
昭和61年(1986)は、①愛②美穂③麻衣④彩⑤麻美⑥恵⑦香織⑧由佳⑨あゆみ⑩友美で、「○子」が10位内にはなくなりました。
平成に入ると最も多く1位を獲得した名前は美咲の8回、次いで陽菜(ひな)7回、さくら、葵(あおい)4回の順でした。
昭和は「愛」の他、「恵」「彩」「舞」の漢字一文字の名前が人気でしたが、平成に入ると「葵」「茜」「瞳」「萌」「遥」「楓」「凛」「杏」「花」「紬」「桜」が登場します。
平成の「〇子」は、「桃子」「菜々子」「莉子」だけ。
平成は、花や植物にちなんだ名前が多いのが特徴です。「さくら」「花」「優花」「彩花」「百花」「美桜」「美咲」「花音」「杏」「桃子」「菜摘」「陽菜」「葵」…
中期には、「さくら」が人気になりますが、ひらがなに注目すると昭和は「ゆかり」(1964)「めぐみ」(1976)「あゆみ」(1985・86)、平成では「ひなた」(2004・09・13)。
また後半から「結」が多く使われています。「結衣」「結菜」「結愛」「結月」「美結」「心結」。
大正・昭和・平成と名前のランキングを調べてみると時代背景との関連が分かり、新しい発見がたくさんあって楽しかったです。これも「授業のマクラ」にいかがでしょう。
皆さんは、自分の名前を気に入っていますか?名づけた理由を知っていますか?
私は、身近では今まで同じ名前だったのは高校時代の1人だけです。時々新聞やテレビで同じ名前の人がいると親近感がわくから不思議です。
親の願いが感じられ、個性的な名前も良いのですが、表記や読み方の多様化は気になるところです。誰もが読めること、書きやすいことも大事だと思います。
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