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No弐-88 韓国事情

  今日は、先週6月16日(水)読売新聞朝刊「ニュースの門」からです。「マンション 韓国社会の過熱」がテーマでした。

 「韓国ソウルのマンション価格が高騰し続け、4年で倍近くとなる異常さ」なんだそうですが、ご存知でしたか?

・中古を含めソウルのマンションの平均価格は約11億2400万ウォン(約1億1000万円)に上る。

・文氏が大統領になった2017年5月から4年間で約8割上昇した計算になる。

・富裕層に人気の江南(カンナム)地区では、築20年近い物件でも軒並み2億~3億円の値を付ける。

・ソウルは今や世界で最もマンション購入が難しい都市の一つだ。

 

・経済的な背景として、文氏以前の保守政権時代に、都市再開発を目的として不動産投資への規制が緩和したため、マンション投資が国民に広まった。

・中央銀行の政策金利が近年、比較的低く抑えられていることも大きい。

 

・その他の背景として、韓国でよく耳にする言葉に「階層移動」がある。これは、社会的な地位が上がることを意味し、気にする韓国人が多い。

・階層は血縁や学歴、就職先で決まる面もあるが、何とか引き上げるため、より高級な地区に暮らそうとする。

・地方の人はソウル市、仁川(インチョン)市、京畿道(キョンギド)で構成される「首都圏」を好む。首都圏の住民はソウル市を目指す。

・韓国では人口の約半数が首都圏に一極集中している。

・土地に限りがあるため、住まいはマンションが中心となる。

 

・学歴偏重もマンション価格高騰に拍車をかけている。

・韓国では一部の例外を除いて高校受験がなく、小学校から高校まで自宅のある学区内の学校に通うのが原則だ。

・このため、大学進学実績が良い高校のある地区に引っ越し、子どもを有名大学に合格させようとする家庭が多い。

・江南地区は教育熱心な親が多く、名門ソウル大進学者が多い。

・2019年ソウル大に合格した一般高校出身者の44%が江南地区。

・江南地区の大峙洞(テチドン)の一角は「塾通り」と呼ばれ、小学生から大学受験生までの学習塾がひしめく。

 

・複数の住宅保有者に対する課税強化や指定地域への転売禁止など多彩な政策を用意してきたが、目立った効果は出ていない。

・韓国では近年、マンションを買う若い人たちの行動を指す「ヨンクル」という言葉がはやっている。「魂までかき集める」という意味で、無理な借金をして魂までへとへとになる状況を指す。これで値下がりしたら耐えられないだろう。

・韓国では他の先進国と同様、子育てに要するお金や時間がないとの理由で結婚しない男女が増えており、住宅需要は長期的に伸び悩むと見られている。

・韓国の人口は統計開始以来初めて減少し、昨年の出生数は前年比10%減の27万2400人にとどまった。

 日本人で良かったと思いました。