6月11日(金)朝日新聞朝刊「社会」欄に「保健室登校」の記事がありました。No983(2021年3月10日)でも紹介しました。保健室の窓際に保健室登校の子どものランドセルがずらりと並んでいる写真に驚きました。
あれから3カ月、変化はあったのでしょうか?
・関東地方のある公立中学校
「保健室に来る生徒が途切れず、驚いています」「例年より多いと感じる」「長いコロナ生活が子どもの心身に影響している」(養護教諭)
5月の大型連休明け以降、朝の始業直後から1日に10人以上が「気持ちが悪い」「おなかが痛い」などと相次いで訪ねて来る。
遅刻や早退を繰り返したり、欠席が続いたりする生徒は、以前からの不登校を含め20人近く(生徒数300人)
・東京都の公立小学校
「昨年の一斉休校の影響が残っている」(養護教諭)
例年は数人程度だが、保健室登校や休みがちな子を合わせると20人弱に上る。(児童数500人弱)
家庭内の不和や精神面の悪化にすぐに対応できず、不登校につながったケースがあった。
修学旅行などの行事が軒並み中止になり、こうした児童の気持ちや人間関係が好転するきっかけが失われたとみる。
・食が細くなっている子が増えた。(都内中学教員)
・頭痛や気分の悪さを訴えて、週1日ほど休む生徒が増えている。
・マスクや手洗いの徹底で、以前より体調を崩す生徒が減った。(埼玉県中学養護教諭)
・長引くコロナ禍による子供の心身の影響はむしろ今後出るのでは。(都内国立養護教諭)
不登校は例年夏休み明けに増えるが、今年は5月の連休明けから増え始めている。
「様々な制約で感情が動く機会がなくなり、子どもが心のエネルギーを奪われている」
★全国養護教諭アンケート(埼玉大戸部秀之教授、500人、今年3~5月初め)
「不登校、保健室登校、登校しぶりなど学校生活に適応できない児童生徒が増えた」54%(昨年7~9月は43%)
「ゲームやインターネットなどの過剰使用の影響が見られる」76%(ほぼ横ばい)
★「コロナ×子どもアンケート」(国立成育医療研究センター、小中高生501人、2~3月)
「自分や家族を傷つけてしまう」20%(昨年7%)
「一人ぼっちだと感じる」16%(9%)
「すぐにイライラしてしまう」37%(30%)
「最近集中できない」32%(26%)
「コロナのことを考えるとイヤだ」42%(42%)
「先生や大人への話しかけやすさ、相談しやすさが減った」51%
「マスクをして接触を避けるなか、友人関係の形成がうまくいかず、行事がなく発散の機会もない。そんな学校生活が続くことが背景にある。」
「自粛生活でストレスがかかる一方、解消する方法が分からずにいる」
これらの数字の上昇が気になりませんか?安全と同様、起きてからでは遅いのです。子どもの変化には敏感でありたいですね。
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