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No弐-9 配偶者の呼び方2

 3月30日(火)の読売新聞朝刊の「生活調べ隊」は「配偶者男性なんとよぶ?」でした。

 配偶者の呼び方については「No142  梨園の妻」(2018年11月15日)で取り上げました。歌舞伎終了後にいただいた1枚の名刺がきっかけでした。

 ある調査では、男性から女性を呼ぶ場合、1位が嫁(23.0%)、奥さん(15.7%)、名前の呼び捨て(12.3%)、家内(10.9%)、妻(10.6%)でした。

 逆に女性から男性を呼ぶ場合は、1位が主人(23.4%)、旦那(22.9%)、お父さん・パパ(17.6%)でした。

 

 あれから2年半経った今は、どうなっているか興味を持ったわけです。

・佐藤亜美菜さん(声優・元AKB48)は「夫さん」と呼んでいる。この呼び方は、数年前に話題になったテレビドラマで使われたこともあり、徐々に広がっている。

・NPO法人「フローレンス」は、4年前くらいから職員の間で「主人」を「夫」や「パートナー」に言い換えている。パートナーは、事実婚やLGBTの職員も使いやすく、多様な人材を確保することにもつながる。

・女性向けファッション誌にも変化が見られる。「ご主人の休日カジュアル」と表記していたファッション誌が「夫とのランチ」と記載するようになった。

 

・調査(1999年・文化庁・全国既婚女性900人)配偶者を主人と呼ぶ(75%)

→調査(2017・インテージリサーチ・既婚女性3300人)配偶者を主人と呼ぶ(23%)

 主従関係に違和感を覚える人が増えたとみられる。

 

・「おっと」という呼び方が定着したのは室町時代とみられ、「夫」や「良人」という字があてられてきた。

・夫を指す言葉として主人が辞書に載るようになったのは大正時代で、昭和前期までは夫の方が一般的だった。

・主人という言葉が主流になったのは戦後になってから。高度経済成長期は専業主婦がいる家庭が普通だった。共働き世帯数が専業主婦世帯数を初めて上回ったのは1992年。

 2018年に初めて専業主婦世帯が共働き世帯の半分以下となった。

★阿古真理さん(生活史研究科)の話

「男性はかつてのように一家の大黒柱となりえるだけの給与をもらえなくなり、女性に『自分も家計の担い手』という意識が芽生えた。主人という言葉は時代にそぐわなくなったのだろう。」

「奥さんは主人ほど議論になっていないように感じる。今後どう変化するのか注目したい。」

 

★相手の配偶者を呼ぶときのおススメの言葉

・「お連れ合い様」男女ともに使える。敬称なので目上の人でもOK。接客業の人は「お連れ様」「お連れの方」といえば、まず問題ない。

・「ご夫君」書き言葉におススメ。「細君」は目上の人には適さない。

・「ご家族」配偶者がいるのか不明な場合にも使える。

先ほどの「パートナーの方」、「夫さん」、「妻さん」など

 

 いかがでしたか?これだけジェンダーの問題が取り上げられているのですから、「主人」「奥さん」はますます少なくなっていくのではないでしょうか?