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No弐-5 コロナの現場の実態が見える本

 4月1日です。令和3年度(2021年度)が始まりますね。毎年のことながら身の引き締まる思いでいらっしゃることと思います。

 3月28日(日)の朝日新聞に「コロナ禍による政府の突然の一斉休校要請から1年。休校が子どもや教職員、保護者らにどんな影響を与えたかを調査し、振り返る本が相次いで出版されている」という記事があったので3冊の本を紹介します。

 

①「学校が『とまった』日 ウィズ・コロナの学びを支える人々の挑戦」(東洋館出版社)

・中原淳教授(立教大・経営学部)の研究室では、休校で子どもの学びや家庭、教員の仕事がどう変わったかを探る実態調査をした。

・昨年5月、東京、神奈川、千葉、埼玉に住む高校生760人と小中高生の長子を持つ保護者2295人にネットで調査。

・教員や中高生、保護者、NPOスタッフへのインタビューもして、その結果を本にまとめた。

・休校中に「悩みや不満を聞いてくれる人」「元気がない時に励ましてくれる人」「雑談して笑いあえる人」が「いなかった」と答えた生徒は約2割だった。

・学習時間は、確保する生徒が増えたが、ほとんどしない生徒との差が拡大していた。

・学習時間の確保に与えた要因は、「教員とのコミュニケーション」やふだん学校で人間関係を築き、学校生活を楽しんでいるかの「学校での需要感」などが挙がった。

②「コロナと闘う学校 全国120校が直面した課題と新たな教育環境の可能性」(学事出版)

・学校事務職員から見た休校を描いた。

・昨年6~7月、公立小中校の学校事務職員がコロナ対策で困っていることや工夫などを自由記述で答えた。

・「困っていること」への回答で目立ったのは「(机の間を)2m確保するには1クラス15人になってしまう」など「密」の回避が難しい状況だ。

・「過剰な手の消毒をする子や他の子の机や椅子に触れない子が目立つ」

・「ガラスの破損が異常に多発している」

・オンライン学習の課題は「環境が整っていない家庭をどうケアするか」

・「家庭の教育力の差が歴然とし、上位層と下位層の広がりが大きくなったようだ」

・感染防止の取り組みを写した写真「校舎配置図で消毒作業が終わった教室にマグネットを置いた写真」「手洗いでびしょぬれになる子どものハンカチをつるした写真」など

③「コロナ禍が変える日本の教育―教職員と市民が語る現場の苦悩と未来」(明石書店)

・NPO法人「教育改革2020共育の杜」が教員の他、学校に関わる多様な職員、教育行政担当者の文章を集めた。

・昨年2月非公開のフェイスブックグループ「心の職員室」を立ち上げ、そこに投稿した人を中心に体験談の執筆を依頼。

・教育長や教諭、養護・栄養教諭。特別支援学校支援員、PTA役員、文部科学省の前担当課長ら22人が文を寄せた。

・「休校明けに体重が激減している生徒が複数いた」(養護教諭)

・「リストカットをしている子がやや多くなってきている。背景には家庭不和が多い。」(スクールカウンセラー)

・「オンラインで学校外の教員ともつながりやすくなった」(小学校教諭)

・「行事を中止せざるを得ないなかでPTAの仕事を簡略化し、負担を減らすことができた」(PTA役員)

・「教え込み授業から子ども中心の学びに変えるという今までできなかったことができるチャンス」(小学校校長)

 いかがですか?どの本もおもしろそうですが、皆さんなら1番最初に読みたい本はどれですか?