3月22日(月)、24日(水)朝日新聞朝刊「ネット依存の果て」からです。
「新型コロナウイルスによる一斉休校や外出自粛の影響で、ネット依存の疑いがある小中高生が急増していることが大阪府の調査で分かった。」という記事です。
ネット依存についてはNo129(2018年11月2日)で取り上げました。
山梨の小4の男子児童は、授業中に居眠り、会話はオンラインゲームのことばかり。親のカードを黙って使い、ゲームのアイテム3万円使い込み、ゲームを取り上げると、叫んで暴れた話。
横浜のある中学校では、3年生の4割以上が1日3時間以上利用。1年生でも8割以上はネットにつながるゲーム機を持っている実態。昼の放送で注意喚起した話を紹介しました。
・コロナ以前の2019年夏とコロナの影響を受けた2020年秋とのネット依存の疑いのある児童・生徒の割合比較調査(大阪府青少年課)
ネット依存の小学生10.2%→13.7%、中学生15.3%→18.9%、高校生19.3%→23.5%
学年では、高校3年(男女)が最も上昇。男子が15.6%→27.5% 伸びが顕著。
・京都市に住むフリーター(26)の話
肺年齢は60歳代、体重40キロ台、ひどい時で1日16時間。画面をつけたまま2、3日を過ごす。
きっかけは高校2年のカナダ留学。言葉の壁に孤独感が募り、オンラインゲームに没頭。
帰国後、ゲームへの執着、無気力、学校休みがち、母への暴力。
大学入学後、精神科受診。状況悪化。昼夜逆転。食事もとらず、水だけで数日過ごす。
大学5年、もう死んでしまいたい。自ら電話して久里浜医療センターに入院(2カ月)
考え方を見直す認知行動療法、陶芸や籐細工などの作業療法
退院1年後、NPO法人アスク認定の予防教育アドバイザー
入院仲間と「Fish」を立ち上げ、毎月第1、第3日曜日定例会開催。
・ネット依存対策キャンプ
国の委託事業として2014年度に全国で始まる。
国立青少年教育振興機構の他、静岡、神奈川、秋田で開催
兵庫県 16年から8月4泊で合宿実施(昨年は9月、2泊)
1日1時間「スマホの部屋」を除き、ネットの使用禁止。運動、外遊び、自然との触れ合い。食事は自炊。認知行動療法を取り入れた振り返り。
2か月後に目標達成できたかを確認するフォローアップキャンプ。
・予防教育(ネットやゲームの使い方を考える都の出前授業)
江東区の小学校6年生50人「最近、スマホを使いすぎたと思う人は?」過半数
時間制限のアプリに使用、1日の利用時間を表に書き出すのも良い方法
★竹内和雄准教授(兵庫県立大)の話
・機器を買い与えるときはもちろん、幼いうちから親子でルールを話し合うことが大事。
・ルールつくりは学校単位も有効。小中高生の意識調査(2018、19)では、依存傾向にある子は保護者が決めたルールは破るが、友人や学校が決めたルールは守る割合が多かった。
・スポーツや釣り、料理などの日常を親子で楽しむことが依存予防につながる。
・キャンプと同様、五感を呼び覚ます原体験が大事。
・解決策はネットの中にはなく、リアルにしかない。
・最近、親がスマホに夢中で話してくれないと嘆く中高生の声を聞いた。手本になれているか、親自身が考えてほしい。
先日も東横線車内で、スマホに夢中になっている幼児、スマホに夢中になって子どもから目が離れている母親を見ました。
たしか、ネット依存になると、いずれ全身に不調が現れ、低栄養、骨密度の減少、エコノミークラス症候群にもなりやすいと言う話でした。早く気がついてあげたいですね。
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