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No992 新版画の魅力

 今日は東京都美術館に行ってきました。「吉田博展」を観たかったからです。

平日なのに混んでました。

 3月8日(月)の朝日新聞朝刊「文化の扉」は、「『新版画』したたる魅力」でした。

 新版画は、ダイアナ妃やスティーブ・ジョブズらが愛したことで、知られるようになりました。

 新版画は、「1915(大正4)年、浮世絵商の渡辺正三郎を版元として生み出された」とありますが、ご存知でしたか?

 

・絵師、彫師、摺師による浮世絵の伝統的な技法を用いつつ、画家の個性を生かし、遠近法などの西洋画の技法や画題、都市や海外の風景などの新しい画題、油彩、水彩のような色合いなども取り入れた。重ねる摺りが多く、100回近く摺る作品もある。

 「温度や湿度まで感じるようなみずみずしい色合い、郷愁を誘う風景」が魅力です。

 

・渡辺が最初に組んだのは、オーストリア人画家のフリッツ・カペラリ。「江戸城」

・その後、日本画家や洋画家、外国人、女性などの多彩な顔触れが参加。

・伝統的に職人に任せていた彫りや摺りは版元や画家が監修し、試し刷りを繰り返した。

・渡辺は伊藤深水(美人画)や川瀬巴水(風景画)らと組み、一大ジャンルに押し上げる。

・自ら彫師、摺師を雇い、私家版で独自の世界を開いた樋口五葉や吉田博のような画家も登場した。

・渡辺以外の版元も参入し、新版画の裾野が広がっていった。

・新版画は昭和前期の隆盛を迎える。

・戦後は、日本の風景が一変。笠松紫浪などもいたが、画家の発掘や彫師、摺師の技術の継承も難しくなり、勢いを失っていく。

・1962年、渡辺がこの世を去って、一つの時代を終えた。

 

・戦前から人気のあった海外に対し、国内で新版画の展覧会が増えたのは10年ほど前から。

・アニメーションの世界でも、新版画への関心が高い。TVアニメ「ジョーカー・ゲーム」に使われた一枚絵も新版画風。

 吉田博展は3月28日までです。ぜひお出かけください。おすすめです。