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No988 あっぱれ実践

 昨日の朝日新聞の「運動会 自分たちでやっちゃおう」の見出しが目に留まりました。鎌倉にある横浜国立大付属鎌倉小学校の4年生の「スポフェス」の企画実践が紹介されていました。

・運動会は例年5月に1日かけて行われ、4年生は徒競走やリレーなど4種目程度に出る。

・今年度は9月中に午前中だけで開催され、リレーも応援団もなし。

・4年生は綱引きと徒競走だけだった。

 

・悔しがる児童に体育主任の担任が何気なく「自分たちでやっちゃえば」というと、子どもたちはすっかりその気になった。

・総合の時間に相談を重ね、徒競走、綱引き、大縄跳び、玉入れ、リレーを選び、放送や審判などの係を割り振った。

 

・2組だけで10月末にやってみると進行がもたつき、午前中で終わるはずが夕方までかかった。

・応援は誰もいないこともあって、全く盛り上がらなかった。

 

・しょげる児童に担任はプロへの相談を提案。

「運動会屋」社員の親睦や研修のために企業が行う運動会を支援する企画会社

この会社は無償協力し、「役割分担だけでなく、情報共有と調整が大事」と助言。

・「何のための運動会?」の問いかけを受け、子どもたちの間で「本気で一生懸命」「みんなで仲良く」のねらいが明確になり、両者を競合した「一笑懸命」がテーマに決まった。

 

・「全員仲良く」ならクラス対抗に変えて4年生全体を赤、青、黄の3チームに再編成。

・足の速い子は均等に割り振り、みんな出たい競技に出られるよう事前アンケート。

・1月開催予定が緊急事態宣言で延期になり、ついに3月5日に実施。

・感染対策で人数を減らした綱引きでは控えのメンバーが声援。

・最後の全員リレーは走者と並んでみんなが走る。

・いつもなら教員が行う審判も子どもが務め、きぜんと対応。

・放送班は定時進行を気にかけつつ接戦を盛り上げる。

・そんな様子を先生や運動会やスタッフが撮影し、保護者向けにライブ配信。

・100人ほどの保護者が家から声援。

・予定より1時間早く閉会式。

・教員は最後まで手を出さず、テントの片付けまで児童が全部手際よく終えた。

 

★仕掛けた担任の先生の話

「『コロナだからできない』から『今、何ができる?』に転換し、

 みんな自分たちが楽しむだけでなく、全体の意味を考えるようになった。

 任せること、待つことの大切さを、私も教えられた」

 

 素晴らしい実践だと思いませんか?私も一緒にやってみたかった。

 この会の成功には、この先生の存在は大きい。プロのアドバイスもいい。目的を明確化したこと、企画・放送・審判などすべてを任せ、分担したことも素晴らしい。

 この子たちが5・6年生になったら、どんな企画を考えるでしょう。新しい企画や種目、自分たちで考えた創作ダンスも作れそうですね。

 まさに「子どものための子どもが育つ運動会」。表現がなくても十分楽しめていました。

 種目を見直し、他の学年も習って、ぜひ全校で新しい運動会にしてほしいですね。コロナの今だから変われるチャンスです。