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No961  社交の大切さ

  2月11日(木)朝日新聞朝刊の「科学季評」は、京都大学前総長でゴリラが専門の霊長類学者の山極寿一先生でした。「文化の力奪うオンライン」の見出しが目に留まりました。いつものように印象に残った言葉を抜粋してみます。

・人間が社会を作る上で欠かせない、移動する、集まる、対話するという3つの自由が大幅に制限されてしまった。

 ただ、そのうち対話する自由だけは現代の情報通信技術で何とか保障されている。

 だが、一方で人間が社会生活を送る上でとても大切な能力が衰え始めていると私は感じる。それは、文化的な暮らしをデザインし、実施する能力だ。

 

・昨年亡くなった劇作家で文明批評家の山崎正和さんは、私たちが文化的な生活を送る上で社交が欠かせないと強調した。

 社交にはその場に応じた礼儀作法があり、参加者は自らの表情も発言も内面の感情も、その起伏に合わせ協力してリズムを盛り上げねばならない。

オンラインではこのリズムを作ることができない。

 

・人間の高い同調能力を使い一つの物語を織り上げるためには、リズムを心身に響かせる仕掛けが必要だ。

 典型的な例が祭りだ。今も全国各地で毎年、祭りが開かれ、人々は土地の伝統にしたがった衣装を身にまとい、古式ゆかしい食事を用意し、特有の音楽と踊りに身をゆだねる。

 それがどんなに人々の心に歓喜や高揚感を呼び起こすものか、日本中の人々が知っている。

 スポーツもコンサートも現代の祭りと言ってもいい。

 さらに言えば、緊急事態宣言下で時短営業を余儀なくされている飲み屋やバー、レストランも社交の場だ。

 リズムが社交を作り、社交の積み重ねが文化として人が共感する社会の通底音になる。 

 

・オンラインは情報を共有するためには効率的で大変便利な手段だが、頼りすぎると、私たちが生きる力を得てきた文化の力が損なわれる。

 とりわけ、まだ文化的な付き合いに慣れていない若い世代から社交の機会が失われるのは大きな問題だ。

 社会的距離を取りながらも、私たちは「集まる自由」を駆使して社交という行為を続けるべきだと思う。

 

 先生のおっしゃる通り、がるべるの中でも社交を続ける努力を続けたいしと今日は強く思いました。