先日No938「情報端末配備の課題」を紹介しましたが、今日の読売新聞「学ぶ 育む」には、「GIGAスクール構想」の文科省の情報が載っていました。
・文科省は、全国の小中学校などを支援するチームを省内に設置した。
・端末の扱いに慣れない学校現場に向けてホームページで各地の先進事例を紹介する。
・チームは昨年12月下旬、約10人で発足。
・学校のICT活用を進めている先進自治体の指導主事などと情報交換し、特設ホームページ「スタディーエックススタイル」の事例を紹介している。
・初めて端末に触れる児童を想定し、タイピングや文書ソフト、表計算ソフトに慣れさせるといった活動が多い。
例1 文書ソフトを使って「帰りの会」の5分間でその日の授業の振り返りなどを打ちこみ、日々の文字数を表計算ソフトに入力し、折れ線グラフにして表示する。
例2 カレンダーソフトを使って、1週間の放課後や家庭学習の予定を作成、児童らに共有させ、一緒に遊ぶ予定を立てさせる。
・約3割の自治体が昨年12月末までは端末は学校に届き、残り約7割は1~3月に学校に納品される見込みだ。
1月19日(火)の朝日新聞には、学校の様子が紹介されていたので補足します。
・世田谷区は、昨年11月、小6と中3全員にipadを配布。今月から中2、中1へ配布を始める。
校内通信環境などの整備が追い付かず、学校での活用が限られているのが現状。
マイクロソフトなどの文書ソフトはあるが、アカウントが配布されておらず、使えない。
家庭で動画は見られるため、夜中にユーチューブを見る生徒もいる。
・足立区では昨年末、中3生にクロームブックの配布が始まった。
区内の男子生徒は月1回土曜の「Zoom」のリモート授業で使うだけで、それ以外は家にしまったままだ。
・千葉県の公立中では、全生徒にノートパソコンが配られたが、Gメールや表計算ソフトなどほとんどのアプリが使えず、USBメモリーも認識しない。文書の共同編集も生徒とのチャット機能も教育員会の方針で無効化されていた。
・関西の公立中では、9月に1人1台配布されたが、盗難や破損の懸念から、全端末は空き教室の保管庫に入れて施錠され、管理職が鍵を管理。
休み時間の鍵を借りて出し、全員でログインすると授業までにつながらない。
・千葉県の情報教育推進校の小学校では、昨秋に5~6年生全員にクロームブックを配布。一斉休校中にオンライン授業実施。昨年10月に全学年に端末配備。大半のソフトや機能は自由に使える。
豊福晋平准教授(国際グリーバル・コミュニケーションセンター)の話
・気負わず普段使いするところと、しまいこんだまま活用できないところの差が広がることを懸念。
・混乱の原因について「学校も教育員会も、ビジョンがないまま端末を配備したところが多いことだ」と指摘。
・「何のための道具かを第一に考えてほしい。どんな時も子どもと学校をつなぐツールであり、家でも学校でも子ども自身が使いこなせる学びの道具にしていく必要がある。リスクを恐れすぎれば『文鎮化』してしまう」
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