朝日新聞終末別冊版「be」に連載している飯間浩明さんの「私のB級言葉図鑑」からです。今回は12月号、5日から19日までの3回分です。
12月5日 「パルフェ」フランス語でかっこよく
ファミレスの店頭ののぼりに<4種のパルフェ>を目にしたそうです。
パルフェはパフェのこと。アイスクリームや果物を載せたデザート。「パフェ」は英語で、「パルフェ」はフランス語
外来語は、かっこよく見せるためにも使い、最近では英語を使っていても、高級感を求め、フランス語に言い換えることがあるそうです。
「チョコレート」→「ショコラ」、「ビスケット」→「ビスキュイ」、「ベーカリー」→ 「ブーランジュリー」
*反対例「アベック」(フランス語)→「カップル」(英語)
12月13日 「日本橋」nかmかが問題だ
日本橋の道路標識はNihonbashi、地下鉄の駅はNihombashiと書いてあるそうです。
宣教師のヘボンが考案したヘボン式ローマ字では、bなどの前の「ン」はmと書き、その後、日本で修正して作られたヘボン式ローマ字では、「ン」はnと書くのを原則としました。新旧の差、つまり地下鉄の方が古いということですね。
ローマ字では、他にも小学校で習う「訓令式」があり、子音・母音が原則1字なのでNihonbasiになります。
12月20日 「悉皆」江戸時代は日常語だった
珍しい看板「悉皆」を目にしたそうです。何と読むでしょう?
・答えは「しっかい」。悉(ことごと)く皆、全部ということ。
・仏教では、あらゆるものが成仏できるということを「悉皆成仏」と言う。
・この看板は、着物関係のことをすべて引き受けるという意味。
・洗いから染めまで全部やってくれることを昔は「悉皆屋」と言った。
・「悉皆」は元は仏典で多く使われたが、やがて一般化し、江戸時代にはすでに日常語だった。
・明治時代には「悉皆」を「すっかり」「みんな」とも読んでいる。
・現在でも「悉皆調査」(全数調査)などと使われるが、すっかり硬い言葉になった。
私も昨年初めてこの言葉と出会いました。論文の中でこの調査名が出てきたのを思い出しました。
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