· 

No906 少人数学級3

 先月18日(No876)、20日(No878)で「少人数学級」について取り上げました。公立小学校の1クラスの上限人数を現行の40人から35人に来年度から段階的に引き下げることになりました。

 来年度は小2で実施し、2025年までの5年間で全学年35人以下になる予定です。

 

 「文科、財務省ぎりぎりの妥協」(読売)の通り、中間の35人で妥協したことになります。しかし、全国の小学校の約9割の学級は35人以下で、36人以上の学級があるのは東京都など都市部に偏っているのですから、多くの学校では35人では実感が伴わないのではないでしょうか?

 

 今回35人学級で妥協した背景には、「少子化の進展」があり、現在15歳未満の人口約1508万人→2056年1000万人を割り込むので、教員数の大幅増は避けられ、予算の大幅増は避けられるから財務省が妥協できたようなのです。

 「増員1万3500人質の維持重要に」(読売)にあるように、来年度の教職員増員は約740人、22年以降の4年間で12800人の増員が必要です。30人にした場合は、教員を8万~10万人増やす必要があると試算していたのですから、大分少なくて済むわけです。

 

 また、神奈川県教職員組合の調査(2020夏)「来年度必要な施策」で「学級の定員を少人数にする」(76%)でした。

 複数学年での人数の見直しは1980年40人に引き下げられた以来約40年ぶりで、降ってわいた新型コロナ対策で、まさに「教育界悲願『密回避』後押し」(朝日)だったわけです。

 

課題1 教室の確保

・東京のベッドタウンとして人口増加を続ける千葉県流山市のある小学校では、20年代前半には児童数3000人と試算。来年度新たな小学校開校。高学年は1学級38人で資産設計しているので今後の対応が必要。

・鹿児島のある小学校では、児童数1400人超。敷地内にプレハブ校舎3棟。学級数が増えると校舎を建てるスペースがない。

 

課題2 教員の育成・人材確保

・愛知県犬山市では2004年度から全小中学校の学級人数を「30人程度(32人まで)」を実施していましたが、2018年度から「34人以下」に上限を引き上げました。それは、経験が浅い教員が増え、その指導に多くの人手と時間が必要になったからだそうです。

 これらの課題を早くクリアして、30人学級がまた40年後にならないようにしてほしいですね。