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No899 デジタル教科書4

 読売新聞「デジタル教書を問う」の最終回(12月5日)からです。2人の専門家の話に注目です。抜粋してみました。

 

①メアリアン・ウルフ氏(神経科学者)の話

・デジタル機器を使った教育には注意が必要だ。脳が情報を処理する過程を踏まえると欠点がある。

・子供の教育ではゆっくり考えさせ、共感力や批判的な分析力を身につけさせる必要がある。

・子供の脳の発達には、ゆっくり読め、より集中できる紙媒体で学ぶ方が望ましい。

 

・5歳までは家庭で多くの本を読み聞かせることが大切だ。

・深く読むことに慣れる10歳頃までは、可能な限り紙媒体で学習させ、集中力を高まる機会にしたい。

・その後はバランスを取り、デジタル教材も取り入れながら、プログラミングなどのスキルを高めてもいい。

 

・欧州の研究では、デジタル機器より紙媒体で読む方が、理解度が高いことが分かった。

 幼い頃からデジタルに慣れ親しむ世代ほど、紙の優位性が高まった。

・紙媒体は、記憶を定着させる要素が多くある。

・レイアウトや形状を記憶でき、メモも書き込め、注意力も高まる。

・画一的な端末の画面の斜め読みは、読書体験を貧しくする。

 

②渡辺弘司氏(小児科医)の話

・デジタル機器による心身への影響については、学校と家庭が連携してチェックすべきなのに、今は制度的に不十分な面がある。

「保健調査票」の手引に、端末の利用や生活の乱れなどを尋ねる項目がない。

・機器が与える影響をしっかり検証すべきだ。

 

・コロナ禍の休校で、オンライン授業などデジタル機器の有用は再認識された。

 だが、教科書のデジタル化で子供が心身の健康を害しては取り返しがつかない。

 結論ありきの拙速な議論は避けるべきだ。

 

 やたらデジタル化を望む風潮の中、本質を見失わないことが大切であることを再認識しましたが、いかがでしょう。