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No897 算数・理科の国際調査から 

 今日の朝日、読売両新聞からです。小4と中2の理科と算数・数学の教育到達度を測る2019年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果が公表された記事です。この調査は4年に1回行われ、64か国が参加しています。

 

○小4の理科

・平均得点562点(4位)。03年以来初めて低下(マイナス7点)。

・理科の勉強が楽しいと答えた児童92% 過去最多(国際平均86%)

・毎回同じ問題を出して比べる「同一問題」の記述問題で、日本の平均正答率が落ちている。

・砂漠の絵から生き物をさがす問題でも、日常生活の言葉の力が落ちている。正答率37%(国際平均45%)生き物に虫も草も木も入ることが理解できていない。

 

○小4の算数

・平均得点593点(5位)

・算数の勉強が楽しいと答えた児童77%(国際平均84%)

・凸型の図と線対象になる図を描かせる問題の正答率56%(国際平均70%)

 

○中2理科

・平均得点570点(3位)マイナス1点

・理科の勉強が楽しいと答えた生徒70%(国際平均81%)

 

○中2数学

・平均得点594点(4位)プラス8点、過去最高。

・数学の勉強が楽しいと答えた生徒56%(国際平均70%)

 

○その他 

・中2で理科や数学を使う「職業に就きたい」と答えた生徒2~3割(国際平均より約30ポイント低い)

・学びが「日常生活に役立つ」という回答は平均を下回った。

・いずれの科目・学年もシンガポールが2年連続1位。

・韓国、台湾、香港などの東アジアとロシアが上位に目立つ。

 

○大学院卒

・小4算数5%(国際平均28%)中2数学12%(国際平均35%)

・小4理科4%(国際平均29%)中2理科15%(国際平均38%)

 学歴を見て「専門性の高い教員の養成の遅れ」といっていいのでしょうか?

 

○研修

・日本は「個に応じた指導」の研修参加要望する教員が教えている子の割合が国際平均より高いが、過去2年研修参加歴は各国より低い内容が多い。

・「テクノロジーを取り入れること」「批判的思考や問題解能力の向上」などの研修に参加した教員に指導される子この割合は国際平均よりより低い。

 

○デジタル化

・筆記式で参加した国は4か国(日本、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド)

 次回はCBT式だけになる予定、高得点維持には教育のデジタル化が課題。

 「コンピュータやタブレット端末によるテストを受ける頻度」で「全くない」が全てで9割を超え、小4算数以外は最多。