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No895  デジタル教科書2

 先週No890(12月2日)で「デジタル教科書」を取り上げました。読売新聞では、「デジタル教科書を問う」を5回連続で(12月1日~5日)連載されていました。

 

 今日は2回目(12月2日)「読解力向上 模索続く」からです。

・豪州は、先進的に教育のデジタル化に取り組んでいる。ところがシドニーにある私立の小学校では昨年、それまで5年間続けていたデジタル教科書の利用をやめ、紙に戻した。

 7~11歳を対象にデジタルでの学習の成果を測ったところ、子供が「紙の方が集中できる」と判明したためだ。

 原因を探ると、デジタル教科書では画面の切り替えやメールの着信などの際、気を取られることが分かった。

 広報担当者は「紙の教科書を読み、自らノートに書き込んだ方が学んだ内容をしっかり記憶できる」と語る。

 

 台湾では2009~11年、一部の小学校でデジタル教科書を試験的に導入した。

 保護者から「視力が落ちる」「鉛筆でノートに書く学習がおろそかになる」など懸念の声が上がった。

 これを受け、紙の教科書を維持し、理解を補うためのデジタル教材の開発に修正した。現在も紙とデジタルを併用している。

 日本では文科省が14年度に小学校4、中学校3の計7校に、タブレット端末の活用の有無による学力の差を検証したことがある。

 報告書によると、小学校では端末を活用した方が成績が高いとの結果が出た。

 中学校の国語と英語では目立った差がなく、社会は逆に活用した方が成績は低かった。

 この結果は意外でした。社会科は視覚化された方がよいと思っていましたが。

 

 PISA(2018) では、本を「紙で読む方が多い」と答えた日本の生徒の読解力の平均得点は536点、「デジタルで読む方が多い」は476点と60点差があった。

 数学でも、授業でデジタル機器を使う割合が61%の豪州が、わずか8%日本に比べて平均得点が高いわけではない。

 

 「デジタル教育の先駆者」と呼ばれる台湾の陳教授の話

  端末を使った学びは「疑問を解決し、友達と共に勉強しやすいなどの強みがある一方、 文章を読み飛ばしやすく、深い理解や感情移入がしにくい」

 

 柴田博仁教授(群馬大・認知科学)

 「情報の全体像をつかみ、考えを深めるにはデジタルより紙が慣れている。子供の思考力を育むにはデジタル教科書は不向きだ」

 デジタルは万能ではないということですね。