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No882 体力・スポーツ格差

  11月18日(水)の朝日新聞朝刊に「子の『体力格差』家庭の収入が一因に」と言う見出しが気になり、keepしておきました。

 清水紀宏教授(筑波大・スポーツ科学)の「子どもの体力・スポーツ格差に関する基礎的実証研究」が、今年4月に公表されました。

 岐阜県多治見市の公立幼・保・小・中学校38校の体力データと保護者9226人、児童生徒4577人(小5~中3)のアンケート(一昨年)をリンクさせ、検証しました。先生の報告を抜粋してみます。

 

・収入の高い家庭の子の方が、低収入家庭より、体力テストの総合点が高い。

・学校外スポーツプログラムへの加入率も同傾向。

・特にシャトルランと50m走の差で顕著。

・運動習慣や頑張ったら褒められる環境で育っているか、が関係するのかもしれない。

 

・特に格差が幼児段階から現れてきていることに注目すべき。

・格差は学年の進行とともに広がっており、幼児期のスポーツ投資の成果が蓄積されると推察される。

 

・体力が高い子は「何でも話せる友だちや仲のよい友だちがいる」と回答する率が高い。

・体力が低い子は孤独を感じている傾向が見られ、休み時間を教室で一人で過ごす傾向がある。

・学校生活が心身発達のベースになることを考えると深刻。

 

・今年度、国のスポーツ関連予算は351億円。うち、五輪・パラリンピックの選手の競技力向上に101億円計上されるなど、明らかに競技偏重。

・身近なインフラ整備は少なく、子どもの発達のために運動やスポーツは重要だということに配慮できていない。

・この先、スポーツはそれで食べていくんだというわずかな人たちが小さい頃から特別なトレーニングを受けてプロになり、大多数の一般国民にとって、競技は見るもので、するのはウォーキング程度という、貧しいスポーツライフの姿が見えてくる。

・この五輪を機に推進されているスポーツの産業化が進めば、お金がかかる状況に拍車がかかり、スポーツ格差のさらなる拡大は不可避。子どもの体力問題にダイレクトに影響。

 

・経済的負担が少ない学校の部活動は、スポーツにおいては最後のセーフティネットで、世界の誇れる仕組み。

・受益者負担を原則とする地域クラブへ移行すると、かなりのスポーツ離れが懸念

・クラブの拠点は、子どもたちの生活コミュニティであるの学校に置くべき。

 参考になりましたか?