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No860 言葉のおもしろさ3

 朝日新聞終末別冊版「be」に連載している飯間浩明さんの「私のB級言葉図鑑」からです。今回は10月号、3日から31日までの5回分です。 

 

 10月5日「万頭」 辞書は言及していないけど

 商店街のまんじゅう屋さんで「チョコ万頭」という値札を見つけたそうです。

・まんじゅうは中国から伝わったものです。「饅頭」は昔からの表記です。ところが、画数が多く、専門店で毎日この字を書いては大変です。それで、一種の略字とし「万頭」が生まれたのでしょう。

 九州では「万十」が多く、「万じゅう」という表記もあるそうです。

 

 10月10日「御影」 いろいろ読み方あるけれど

 香川県のお寺の境内のお堂に貼ってあった貼り紙に「御影札」と書いてあったそうです。

「おみえふだ」と読みます。他にも着物の帯の「御帯」は「おみおび」、巣鴨のとげぬき地蔵の本像を描いた「御影」は「おみかげ」と読むんだそうです。

 

 10月17日「ぼうし」 どうして「昌」になるのか?

 駅ナカのアパレル店の看板の「ぼうし」という字の「ぼう」が「はばㇸん」に日が2個だったそうです。

 正しくは、右は日の下は目ですよね。「帽」は調べてみると中1で習います。似た漢字で4年生で習う「合唱」の「唱」がなじんだことが影響していると飯間さんは見ています。

 

 10月24日「もなか」 ファッション感覚の点

 和菓子店の回る看板の「八景最中」の「中」の右下に点があるんだそうです。

・この点は「補空(ほくう)」とか「捨て筆」とか言われるものです。さらには「捨て点」「咎(とが)無し点」などの別名もあります。空白はもったいなくて、点を打って埋めたのです。 

 他にも「土」「氏」「民」「筆」「弁」なども点を打つ字形があるそうですが、見たことありますか?

 

 10月31日「セザンヌちゃん」 区切りまで計算した?

 駅のホーム前方にあった看板に化粧品会社の広告「セザンヌちゃんと働く下地です」と書いてあり、横に女性の写真があるので、その人はセザンヌちゃんかと納得しましたが、よく見るとその女性は女優の星野真里さんだったという話です。

 「セザンヌ ちゃんと働く 下地です」化粧下地はしっかり仕事をしますという意味でした。改行って確かに大事ですよね。