10月6日(火)朝日新聞朝刊「コロナと学び」の奈須正裕教授(上智大・教育方法学・教育心理学)の話が興味深かったので、keepしておきました。早速抜粋してみます。
・私は、ICTは学校教育に絶対必要だと思っています。子どもが、文房具のようにタブレット端末などを使って学ぶことが不可欠な時代です。
・ICTで「個別最適化」を進めることには危うさをはらみます。
個別最適化に注目した時に、特にこれから活用されるのは「AI(人口知能)ドリル」のようなAIを使った学びでしょう。
一人ひとりの解答をAIが分析し、次に取り組むべき問題を自動で出題してくれます。
(しかし)情報を選択するプログラムがどうなっているかは、使う子どもや親、教師には見えない。これって不安じゃないですか。
課題は「情報の推奨」です。個別最適化の「最適」を誰が認定するのか。
できるだけ情報をフラットに提供し、何がどう「最適」かは教師や子どもが選択する仕組みにすべきではないでしょうか。
・個に応じた学びの「個別化」は、百年前から教育の世界では唱えられてきました。
すでに特別支援教育では、ごく普通に実践されています。
日本の教科書自体が長年、一斉指導型で作られ、いまだに「自分が教えたい」と思っている先生が多いからです。
全員が前を向いて聞いてくれたら満足。
一斉指導にこだわり、子どもを自由にさせることができない。
・ICTは、もっと探究など学びのルーツとして、使うことを考えてほしい。
国語辞典を端末に換えればいい。使用時間や使用方法を制御せず、いつでも何でも好きに調べられるようにつないでおく。
教室の中だけ、先生が指示した時だけ、という使い方では社会に出た時の活用にはつながらない。
クラウドとアカウントで、家でも図書館でもどこにいても使えるようにしておく。
・作文はもとより、少し長い文章は文書ソフトで書くのを基本とするといい。
短冊に書いて推敲するなんてやり方は、もはや過去のものでしょう。
文書ソフトを使い、カットアンドペーストで文章構成を変えて読み比べたり、接続詞を考えたりする方が、ずっと意味がある。
・教えたいこと、鍛えたいことはたくさんありますが、優先順位を考えるべきで、そこにICTなどのテクノロジーの活用可能性を勘案したいものです。
・計算も小学校中学年になったら、電卓を持ち込ませばいい。筆算の考え方などは非常に重要なので、そういうことはむしろこれまで以上にきちんと教える必要があると思います。
・「昔からやってきたから」というだけの不合理な部分はどんどん削る。
ICTだけでなく、いろんな道具を子ども自身が使いこなして、自分に必要な学び効果的にできるようにする。
刺激的でしょ?
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