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No824  9月のがるべる

 9月は、6回目のLINE がるべるでした。最終的には24人が参加してくださいました。ありがとうございました。

 第1部は、恒例の近況報告と現場の情報交換でしたが、運動会に代わるスポーツデ―、運動発表会、全校zoom朝会などが目新しかったでしょうか?

 

 第2部は、専門がるべる 実践国語道場「ことばに敏感」でした。

 朝日新聞終末別冊版「be」の「私のB級言葉図鑑」を執筆されている国語辞典編纂者の飯間浩明さんの本の「知っておくと役立つ街の変な日本語」(2019.朝日新聞出版)から10問考えてみました。

 

 前半は、「街で見かけたこんなもの」から

①「さーせん 海 休」商店街にあるバーに出ていた看板。「さーせん」とは「すみません」のこと。他には、「あざーす」(=ありがとうございます)など。挨拶言葉は音が崩れやすい。

 

②「ダストレスラーフル」大学の教室のある道具の裏に貼ってあった。「ラーフル」とは、「黒板消し」のこと。オランダ語に由来し、鹿児島、宮崎に行くと「ラーフル」と言う。

 

③「免活」大学生協の壁に貼ってあったポスター。「合説」「岡山に合説あり」の看板。「免活」は「運転免許取得活動」、「合説」は「合同企業説明会」のこと。他には、「就活」「婚活」「終活」「妊活」「タピ活」など

 

④激安店にあった「鬼回るハンドスピナーこちらです」の表示。「鬼回る」とは、「感激するほど早く回ること」。程度が激しいことを「鬼のように」と形容するようになり、「鬼可愛い」などの言葉がうまれた。

 

⑤地下鉄のホームに掲示された「立会駅」とは、「駅員が車掌に合図を送る駅」。ホームの見通しが悪かったり、混雑していたりして、車掌がドアの開閉の判断しにくい時、駅員が車掌に合図を送る駅で東京メトロの用語。

 後半は、「感じてキャッチコピー」プロのコピーライターのうまさを味わう。

⑥「つるスベ肌応援キャンペーン」美容サロンン広告。つるすべとは、「つるつる、すべすべ」。擬音を組み合わせて、省略している。他には「ふわとろ」(オムレツ)、「さらつやヘア」、「もちぷり麺」「ゆるふわ」など。

 

⑦「忙しい朝に 瞬乾!ワキ汗ケア」制汗剤の広告です。「速乾」と「瞬乾」の違いは、「瞬乾の方が速乾よりさらに速く、一瞬で乾くことを表現」。「瞬乾」はまだ辞書になく、他には「瞬殺」「瞬撮」「瞬読性」「瞬冷辛口」「瞬足」など。

 

⑧「コクすぎて、余韻すぎて、うれしい!」コンビニの店頭にあった飲料の広告。「とてもコクがあって、とても余韻があって、うれしい」だとインパクトがないですよね。「すぎる」は程度の激しさを表す言葉。「暑すぎる」「多すぎる」「やりすぎる」「多すぎる」など。2010年代に入ると褒める場合にも使われ、「美人すぎる」「天使すぎる」など。

 

⑨「あなたの一番うまい!になる」キリンビール「本麒麟」の広告。他にも「すべては、お客様の『うまい!』のために」(アサヒ)、「うまいをつくる」(サントリー)など。これを「形容詞の名詞化」と言う。「うまさをあなたに」では意味が抽象化してしまうが、「うまいをあなたに」だと「うまいなあ!」という実感が伴う。

 

「美しくを、変えていく」美顔器の広告も同じく、「形容詞の名詞化」。「美しいを、変えていく」だと、様子や服装などを変える感じが、「美しくを、変えていく」になると方法を変える感じがする。

 

⑩「愛をしようぜ」駅の壁に貼られた男性に婚活を呼びかける広告。「恋をしようぜ」と比べてみると?「恋」はいつも相手のそばにいたいと思う、満たされない気持ち。「愛」は相手を大切に思う気持ち。

「恋する」「愛する」はあるが、「恋をする」はあっても「愛をする」はない。経験を表す言葉は「を」を入れることができる。なので「愛をしようぜ」は、「愛を経験しようぜ」という意味になる。奥が深い! 

 

 他には、箱根ユネッサンの広告「on 泉 off呂」、週刊誌の広告をパロディにした東京ドームシティのお化け屋敷「怨霊座敷」の広告を紹介しました。

 

 街を歩いていても広告や看板に目が行くと、新しい発見があり、それが教材にいかせます。

「ことばに敏感」の想いは通じたでしょうか?ありがとうございました。