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No818 ライオン&動物園  

昨日の朝日新聞朝刊からです。1面に「ライオン10万円 猫より安い」の見出しが強烈でした。

・朝日新聞の調べによると14年度からの5年間で全国の公立動物園から搬出されたライオンは14頭いたが、そのうち11頭が無料でもらわれていった。

 

・東京都の資料ではライオンの試算価値は10万円と見積もっている。一方ペットショップでは20万~40万円で売られている猫もいる。

 

・ライオンは繁殖が容易で、一度に3頭前後を産む。成長すると近親交配や親との闘争のリスクが出てくる。群れで飼うには、広いスペースが必要で、エサはたくさん食べる。

 

・動物園で生まれ、祝福されるのもつかの間、成長するにつれて飼えなくなり、受け入れ先を探さなくてはいけない動物たちを動物園業界では「余剰動物」と呼ぶ。

 14年度から18年までの5年間で搬出された動物は4978個体。そのうち47%が無償で譲渡。

 

・余った動物を差し出し、新たな動物を入手するのが「動物交換」といい、34%。

 動物交換の背景には、公立動物園が抱える「財政難」という事情があり、欲しい動物がいる場合、交換に頼らざるを得ない。

 

・日本に初めて動物園ができて140年。動物園の歴史を振り返ると

 多くの公立動物園は戦後の復興期から高度経済成長期に続々と誕生した。市民のレクリエーションや教育を主な目的と、野生動物を海外から次々に輸入。

 

・1980年ごろから絶滅の危機にある野生動物を保護しようという国際的な世論が高まり、希少な動物を展示する動物園の存在意義が問われ始め、比較的容易に輸入できた動物たちが海外から入ってきにくくなった。

 

・レクリエーションが多様化し、動物園の価値が相対的に低下し、動物園の存廃まで議論するところも出てきた。

 

・変化に直面した動物園が見出したのが、絶滅の危機のある動物たちを繁殖し、後世に残していく「種の保存」という存在意義だ。

 動物の誕生や死によって命の大切さを教える「教育」にも改めて光が当たるようになった。

 ライオンや動物園のことを話題に話し合ってみてはいかがでしょう?