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No817  類人猿の比較から学ぶ

 9月17日(木)の読売新聞朝刊の「文化」には、山極寿一京大総長の「霊長類から考える理想のリーダー像」という記事があり、興味を持ちました。

 山極先生は、ゴリラ研究で知られ、たくさんの本を書かれており、先日私も本を1冊買いました。

 

 まず霊長類とは、「動物分類学上での霊長目に相当し、動物の首長たるものという意味である。原猿類、新世界ザル、旧世界ザル、類人猿、ヒトなどを含み、現存するものは約200種知られている。」(霊長類研究所)と書かれてあります。

 

 さらに類人猿には、大型では、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボがいます。

 

 ボノボってご存知でしたか?「別名ピグミーチンパンジー。チンパンジーと比較すると、体型は細く、上半身が小さく、頭部の体毛は中央部で左右に分かれ、顔の皮膚が黒い。」(Wikipedia)と書かれてありましたが、まだ私には区別がつきません。

 

・サルの社会には、リーダーではなくいわゆるボスがいる。ニホンザルの社会は互いの優劣によって食物や場所を得る優先権が決まるので、ボスがいつも自分の力を誇示している。ただ、力が衰えると他のサルに地位を奪われてしまうので、ボスの時代は長く続かない。

 

・オラウータンは、オスもメスも単独生活をしているので、そもそもリーダーなどできない。

 

・ゴリラは、家族単位で暮らし、メスは自分の好むオスを選んで動くので、オスはメスに選ばれて頼られる存在だからリーダーに近いと言える。他のオスに地位を奪われて追い出されることはないが、成熟した自分の息子と組んで複数のリーダー体制を作ることがある。

 

・チンパンジーとボノボはどちらも複数のオスとメスが共存する数十頭の群れで暮らし、メスだけが群れ間を移動する。

 チンパンジーのオスは興奮すると全身の毛を逆立て、オス同士が連合関係を組んで張り合う。優位に立った方が主導権を握り、その中で一番強いオスがリーダーとなる。みんなリーダーには一目置き、常に挨拶を欠かさないが、オス同士の連合関係が弱まれば、リーダーの地位はおわれる。

 

・ボノボは、オスがメスより弱く、オス同士で連合関係を組むことはない。隣の群れとも平和につき合い、めったにけんかをしない。

 

 群れやリーダの作り方にこんなに違いがあるんですね。さらに山極先生は、日本の政治はチンパンジー型であると指摘しています。

 さらにゴリラとボノボの特徴を併せ持つような社会を提言されています。

 メスや子どもに最大限の注意を払うゴリラ、めったにけんかをしないボノボは確かに見習いたいですね。