読売新聞朝刊の「教育ルネサンス」は「授業再編」をテーマにしています。「新型コロナウイルスによる休校などの影響で、学校現場は授業の再編、見直しを進めている」とありますが、実際に公立の現場では進んでいるのでしょうか?
1例として国立の福岡教育大学付属福岡小学校の例が紹介されていました。2015年度からカリキュラムのスリム化の研究をし、現在ある14教科、言葉、数学、人間、社会、科学、芸術、健康の7教科に組み替えたそうです。
例えば、総合的な学習の時間、道徳、特活などを合体させてのが「人間」で、テーマ学習をしながら他の教科とも連携して進めるようです。
さらにこの小学校では、年間標準時間(5785時間)を698時間削減、時程も休校前と変えずに火曜・金曜は5限で終了、中止した行事は年2回の学芸会の春1回のみ。にもかかわらず全国学力・学習状況調査の成績は大幅にアップしたそうです。
福井市の中学校では、子どもにつけさせたい力を基準に指導計画を組み立てたそうです。
例えば、国語の3つある説明文を1つに減らす。総合も美術や保健と統合して学ぶ。学校祭や修学旅行などの学校行事もほとんど残したそうです。
今日の京都の小学校では、通常52コマかかる国語、社会、総合的な学習の時間を37コマに短縮した例が紹介されていました。
4年生で学ぶ社会「ごみや水」では、社会でごみ処理や水質などの現状や課題を考えさせ、次に国語で新聞作りの単元の一環で調べる方法を学び、さらに総合で自分なりの解決策を考え、新聞にまとめる。よくある手法だと思いますが、確かに時間短縮は可能ですよね。
もう1校は同じ京都市内の中学校。国語と音楽の枠を超える試み。平家物語と荒城の月を同時に学習し、仏教思想や栄華盛衰を軸に時代背景や登場人物の心情を学ぶ。
調布の中学校では、教科書の掲載順序にとらわれず、関連する単元は連続し、ICTを活用し、板書を必要最小限にすると21コマ必要だった物理は14コマでできたそうです。
少なくなった授業時数を学習の遅れとして詰め込むと先生が常に話している授業が目に浮かびます。子どもは退屈でしょうね。
当たり前のカリキュラムを見直せば、新しい発見がたくさんあるはずです。その時に「子どもにつけさせたい力」を見失ってはいけませんね。
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